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MMWR抄訳

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2008/10/24Vol. 57 / No. 42

MMWR57(42):1145-1148
Anaplasma phagocytophilumTransmitted Through Blood Transfusion - Minnesota, 2007

輸血によるAnaplasma phagocytophilum感染-ミネソタ州、2007年

Anaplasma phagocytophilumは好中球の偏性細胞内グラム陰性細菌であり、ヒト顆粒球エーリキア症として知られていたマダニを介するリケッチア病であるヒトアナプラズマ症を引き起こす。2007年11月、Minnesota Department of Healthは入院中のミネソタ州住民がA. phagocytophilumに感染しているとの報告を受けた。この患者は68歳男性、慢性腎不全、乾癬性関節炎、強直性脊椎炎の既往があり、ステロイド投与を受けていた。入院する3週間前にマダニのいる地域へ旅行したが、咬まれたかどうかは不明である。2007年10月12日、膝関節形成術および滑膜切除術が行われたが、数時間後に手術部位から出血、INRおよびPPT上昇を伴う凝固障害を来たし、フィブリノーゲンおよび血小板数が減少、外科処置と輸血が行われた。10月12~21日、赤血球34単位、血小板4単位、新鮮凍結血漿14単位、寒冷沈降物7単位(いずれも Memorial Blood Centerから供給)が輸血され、19日、敗血症および多臓器不全をきたし、セファゾリン、ピペラシリン/タゾバクタム、バンコマイシン、レボルフロキサシンが投与された。10月18、20、31日の血液培養、19、25日の尿培養検査はいずれも陰性であった。31日、血小板減少が進行(31日: 178,000/mm3、11月5日:54,000/mm3)、翌11月1日には低血圧、尿路感染症による発熱を来たし、レボフロキサシンとST合剤が投与された。入院22日目(11月3日)、末梢血塗抹検体からA. phagocytophilumの桑実胚が認められ、11月3~5日のPCRによるDNAアッセイにてA. phagocytophilumが確認され、CDCによりIgG抗体陽性も確認された。11月5日よりドキシサイクリンが投与され、血小板数は回復、10日には163,000/mm3となり、13日にリハビリ病棟へ移動、12月3日に退院した。Memorial Blood Centerは11月上旬よりこの患者に輸血された血液ドナー(59名)の調査を開始、64歳女性の血液がPCR、IFA検査により A. phagocytophilum陽性と確認されたが、この女性は献血の前後1ヶ月間、発熱などの症状は認めていなかった。輸血後の発熱を伴う急性血小板減少症は、アナプラズマ症の可能性を考慮し、輸血による感染の疑いを州や地方の保険局に報告すべきと考える。

References

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