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MMWR抄訳

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2008/02/15Vol. 57 / No. 6

MMWR57(6):148-151
Progress Toward Introduction of Haemophilus influenzae type b Vaccine in Low-Income Countries - Worldwide, 2004-2007

低所得国におけるインフルエンザ桿菌b型ワクチン導入の進行-世界的状況、2004~2007年

インフルエンザ桿菌b型(Hib)は世界で約300万人に髄膜炎、重症肺炎を引き起こし、毎年、5歳未満の小児約386,000名が死亡している。Hibワクチンは約20年前に導入されたが、後進国ではワクチン導入が遅れ、未だにHibの発症および死亡が後を絶たない。2000年、Global Alliance for Vaccines and Immunizations(GAVI)は1人あたりの国民総所得が1,000ドル以下である72の後進国に対してHibワクチン接種の財政的援助を開始したが、Hibワクチンの導入率は低く、2005年6月、Hib Initiativeを設立してHibワクチン導入の促進を行った。2004年の時点では、援助を受けた72ヶ国中、Hibワクチン接種を導入し、接種している国は13ヶ国にとどまっていたが、2007年末には27ヶ国に増え、さらに23ヶ国にて導入が承認された。このワクチン導入には地域差があり、アフリカ地域では36ヶ国中30ヶ国(84%)、アメリカ地域では6ヶ国中5ヶ国(83%)にて導入または導入を承認しているが、東地中海地域では4/6ヶ国、ヨーロッパ地域では3/8ヶ国、東南アジアでは1/9ヶ国、西太平洋地域では4/7ヶ国であった。また、全世界において3回目のHibワクチン接種を受けた小児は1999年の8%から2006年には22%に増加、GAVI対象国では2004年8.5%(約680万人)から2007年には17%(1,400万人)に増加している。Hibワクチン導入はHib発症の抑制のみならず、その導入プロセスが他のワクチン(ロタウイルス、肺炎球菌ワクチン等)を導入する際の参考にもなりうるであろう。

References

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