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MMWR抄訳

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2008/01/18Vol. 57 / No. 2

MMWR57(2):42-45
Effect of Electronic Laboratory Reporting on the Burden of Lyme Disease Surveillance - New Jersey, 2001-2006

ライム病調査の負担に関する電子研究室報告の影響-ニュージャージー州、2001~2006年

ライム病(LD)はスピロヘータライム病ボレリア(Borreliaburgdorferi)によるベクター媒介病であり、マダニ属(Ixodesspp.)刺咬により感染する。アメリカでは北東部、中部大西洋、北中部に多く、ニュージャージー(NJ)州では2005年、人口10万人あたり38.6例発症し、デラウエア、コネチカット州に続き第3位であった。NJでは1980年以降、医療機関および臨床研究室に対し、LD症例に関しては全例、地域の保健所への報告するよう義務づけており、保健所はこれらの報告が全国の調査症例基準を満たすかどうかを調査する。医療機関からの報告書には症例固定に必要な曝露および臨床データが記載されるが、研究室からの報告書はこれらの情報が含まれていないため、保健所は欠落した情報について医療機関を追跡して得なければならない。2002年、NJでは研究室の報告書を紙から電子報告書(ELR)に拡大し、その後4年間、ELRによるLD報告数およびELR導入による他の業務への影響に関する調査を行い、今回その結果が報告された。年間LD報告数は2001年の2,460件から2004年には約5倍の11,957件となり、2006年は6,015件へ減少し、確定例は2001年:2,371例、2004年;2,791例と18%の増加にとどまった。ELRは導入した2002年には1,142件、2003年には6,799件と増加し、2001‐2006年の年間総報告の51%を占めたが、確定症例では29%であり、non‐ELR症例の確定率は81%(8,067/9,958例)、ELR症例では65%(2,350/3,609例)であった。ELR導入前の2001年には報告された症例の追跡に2,460時間を要したが、2004年には11,957時間を必要とし、他の業務に支障を来していることが明らかとなり、2008年1月、NJはこの結果を踏まえてELRによるLD症例報告の調査を自動的に判定するシステムを導入し、他の業務への支障を軽減する措置を取り、LD報告の追跡に要する負担が減少することを期待している。

References

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