ホームIMICライブラリMMWR抄訳2007年(Vol.56)一部ロットのb型インフルエンザ菌(Hib)含有ワク・・・
2007/12/21Vol. 56 / No. 50
MMWR56(50):1318-1320
Interim Recommendations for the Use of Haemophilus influenzaeType b (Hib) Conjugate Vaccines Related to the Recall of Certain Lots of Hib-Containing Vaccines (PedvaxHIB® and Comvax®)
2007年12月13日、Merck & Co., Inc.は2種類のHib結合型ワクチン(Hib莢膜多糖体[ポリリボシルリビトールリン酸:PRP]+髄膜炎菌外膜蛋白質[OMP]結合ワクチン)、PedvaxHIB(1価Hibワクチン)とComvax(Hib/B型肝炎ワクチン)の一部ロットのリコールを自主的に発表した。Merck社はこれらワクチンの製造を一時的に中止しており、2008年の第4四半期までにこれらワクチンの供給が再開される見込みはないと伝えた。Hib含有ワクチン製造量の減少のため、CDCはAdvisory Committee on Immunization Practices(ACIP)、American Academy of Family Physicians、American Academy of Pediatricsと協議し、Hibワクチン接種に関する暫定的な勧告を発表した。本報告はその内容を紹介したものである。現在、アメリカで認可され、使用可能なその他のHibワクチンとしてはSanofi Pasteur社製の2種類のHib結合型ワクチン(PRP+破傷風トキソイド[TT]結合ワクチン)、ActHIB(1価Hibワクチン)とTriHIBit(ジフテリア・破傷風トキソイド・無細胞性百日咳[DTaP]/Hibワクチン)がある。それらはリコールによる影響はないが、Sanofi Pasteur社はワクチン接種が勧められる全ての小児に対し、十分量のHibワクチンをすぐに提供できない可能性がある。Hibワクチン不足が予想されるため、CDCは無脾・鎌状赤血球症・HIB感染症などのハイリスク小児に対しては通常の推奨スケジュール(生後2ヶ月時に初期連続接種[2、3回]、12‐15ヶ月時に追加接種)でHibワクチン接種を行い、ハイリスク小児以外では生後12‐15ヶ月時での追加接種を延期するよう暫定的に勧告した。また、アメリカンインディアン/アラスカ原住民(AI/AN)小児も特に生後6ヶ月間でのHib疾患発症リスクが高く、PRP+OMP結合型ワクチン(PedvaxHIB、Comvax)はPRP+TT結合ワクチンに比べ、セロコンバージョンがより速いことから、医療従事者はリコールの影響を受けないPRP-OMP含有Hibワクチンを保存し、AI/ANコミュニティー内のAI/AN小児に優先的に通常の推奨スケジュールで接種することを推奨した。AI/ANコミュニティー外、あるいはすでにPRP-TT結合型ワクチン接種を受けているAI/AN小児は通常の推奨接種スケジュールで利用可能なワクチンの接種を続けるべきである。医療従事者はワクチン供給改善時に追加接種を延期した小児を召喚しやすくするため、それら小児を記録して追跡しておく必要がある。
Copyright © 2013 International Medical Information Center. All Rights Reserved.