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MMWR抄訳

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2007/11/30Vol. 56 / No. 47

MMWR56(47):1237-1241
Progress in Global Measles Control and Mortality Reduction, 2000-2006

世界的な麻疹コントロールおよび死亡率低下における進歩、2000~2006年

WHOおよびUNICEFは47の優先国において麻疹による死亡率低下を目標に、1)生後12ヶ月までのワクチン接種率を90%以上とする、2)すべての小児を対象に2回目の接種を行う、3)ワクチン接種率に関する症例ベースの調査およびモニタリングを行う、4)ビタミンAの補充などの適切な臨床介入を実施する包括的戦略を展開しており、また、2005年にはGlobal Immunization Vision and Strategy(GIVS)の一環として麻疹による死亡率を2000年データと比較して、2010年までに90%低下させることが掲げられている。2007年1月にWHOとUNICEFが発表した報告では、2005年における麻疹による死亡率は60%低下しており(1999年:873,000例、2005年:345,000例)、今回、2006年に実施された活動内容および2010年の目標に向けての進行状況についての報告がまとめられた。予防接種率はアフリカ地域では2000年:56%から2006年:73%、東地中海地域では73%から83%、西太平洋地域では86%から93%、全世界では80%を越えると予測され、生後12ヶ月までに初回接種を受けていない小児は2,620万人(20%)と推定されている。追加予防接種活動(SIAs)は2000‐2006年、46/47ヶ国にて47,800万人の小児(9ヶ月齢‐14歳)を対象に実施され、2006年には25/47ヶ国にて13,600万人を対象に実施されている。麻疹に関する調査データは、WHO参加193ヶ国中120ヶ国(2004年)、2006年には169ヶ国から報告されており、麻疹症例は2000年:852,937例から2006年:373,421例へ減少している。ヨーロッパではウクライナとルーマニアでの流行のため2000年:37,421例から2006年:53,344例と増加、東南アジアにおいてもインド、インドネシアでの調査の精度が改善し、78,574例から94,562例へ増加している。また、診断を行う研究室の数も1998年には40ヶ所であったが、2006年の終わりには164ヶ国、678ヶ所に増加している。これらの研究室ではELISA法によりIgM抗体の検出を行っており、2006年には約180,000検体(2005年:119,000検体)が検査され、約80%の研究室において検体受領から7日以内に結果が報告されている。また、麻疹による死亡例は2000年:757,000例から2006年には68%低下(242,000例)すると推定されており、アフリカ地域では91%の低下が予想されている。麻疹の根絶にはこれらの戦略の継続が重要であり、今後も2010 GIVS目標に向けた活動の推進が望まれる。

References

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