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MMWR抄訳

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2007/02/23Vol. 56 / No. 7

MMWR56(7):144-145
Measles Among Adults Associated with Adoption of Children in China - California, Missouri, and Washington, July-August 2006

中国における養子縁組による成人の麻疹-カリフォルニア州、ミズーリ州、およびワシントン州、2006年7月~8月

2006年8月15日、Missouri Department of Health and Senior Services(MoDHSS)は、最近中国を旅行したミズーリ州住民の麻疹症例の報告を受けた。患者は、広東省の児童養護施設で養子を探していた11家族とグループで旅行した。グループのメンバーは、ミズーリ州を基盤とする養子縁組団体のスポンサーにより別々に旅行したが、7月13~27日は広東省で同じホテルに滞在した。この報告は、その後の複数の州に関する調査を述べ、その結果2件の麻疹追加症例を確認した。3名の患者は、旅行中に病気と思われる人との接触は思い当たらず、全員が完治し、曝露された可能性のある家族、他の旅行者、患者、また医療関係者に二次症例は確認されなかった。麻疹のような輸入伝染病は、地域社会に拡散する危険性があるため、可能性のある感染源および地域に拡散した疾病の範囲を突き止めるよう徹底的な調査が必要である。症例1は、ミズーリ州の36歳の女性が広東省へ夫と旅行し帰国後、発熱、顔と胴に発疹、病院でミズーリ州農村部の風土病であるダニ媒介疾患の検査、麻疹免疫グロブリン(IgM)抗体検査を受けて陽性と報告された。患者は今までの接種記録で麻疹含有ワクチン(MCV)を2回(生後11ヵ月、10歳時)投与されていた。患者と夫は養子縁組成立を待つ間、10組の米国人家族と同じホテルに宿泊した。MoDHSSは各家族に接触し、養子縁組グループから2件の湿疹追加症例を確認した。症例2は、カリフォルニア州の39歳の女性で、同じ養子縁組団体旅行のメンバーであり、顔、胸、背中に斑点状丘疹を発症した。MoDHSSは、カリフォルニア州保健省に報告し、患者のIgM抗体力価が得られ、結果は陽性であった。患者は今までに2回MCV投与を受けたと報告したが、接種記録は入手できなかった。症例3は、ワシントン州の38歳の女性が発熱、胸と顔に斑点状丘疹を発症した。患者は中国からシアトルへの帰国途中、発症した。頭痛、顔面浮腫、咳、鼻閉、吐き気、下痢を訴えたが、それらの症状は旅行前の薬の服用が原因であり、投薬停止48時間後、発熱の持続、胴体と腕の発疹が拡大したために再入院した。ウイルス性肝炎の検査は陰性であり、患者の症状は改善し退院した。MoDHSSは、ワシントン州保健省に患者が養子縁組グループで旅行したことを通知し、地方保健局により採取された血清は麻疹IgM抗体に反応した。患者は1歳時に接種記録でMCV投与を1回受けていた。

References

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