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MMWR抄訳

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2006/12/01Vol. 55 / No. 47

MMWR55(47):1272-1274
Injuries from Motor-Vehicle Collisions with Moose - Maine, 2000-2004

ムースの自動車衝突事故による負傷-メイン州、2000~2004年

ムースは北米最大の哺乳類の一種で、体長7.5フィート、体重1,600ポンドもあり、鹿族の種類としては最も多く、メイン州のムースの数(約29,000)は、アラスカ州を除いて米国で最も多い。車と衝突の際に、ムースは足をぶつけて車のボンネットに体を乗り上げることが多く、しばしば窓枠や屋根を破壊する。その結果、運転手にかなりの負傷を与える可能性がある。メイン州におけるムースと車の衝突を評価し、衝突のタイプから負傷の危険因子を評価するために、Main Department of Health and Human Servicesは、2000~2004年の衝突報告を調査した。調査結果によると、郡によっては衝突率に幅があったが、季節や一日の時間によって明らかな傾向が見られた。負傷リスクの関連要因は、表示制限速度、車種、運転手の性別および年齢であった。ムースとの衝突を減少するための方法は、運転手の教育計画改善や工学的制御(運転手の視野改善のために路傍の植物を除去すること等)の整備に焦点を当てる必要がある。さらに、群れの管理(捕獲によるムースの数削減)がメイン州の衝突多発地域で実施されており、その効果を評価する調査が必要とされる。2000~2004年の5年間で、メイン州では22,516件の動物と車の衝突が報告されており、18,289件(81%)は鹿、3,400件(15%)はムース、827件(4%)は他の動物によるものであった。合計1,600件の負傷(1,583件は非致死傷、17件は致死傷)は、これらの衝突が原因であった。ムースによる衝突は動物による衝突の15%に過ぎないが、全1,600件の負傷のうち803件(50%)を数え、17件の致死傷のうち14件(82%)、1,583件の非致死傷のうち789件(50%)がムースによるものであった。ムースとの年間衝突率は10万人につき53で、メイン州16郡において7~310の範囲であった。衝突率は人口密度の低い州北部で高く、人口密度の高い州南東部で低かった。ムースの衝突の多く(2,683件[79%])は5~10月に発生し、6月の衝突(716件[21%])が最多であった。衝突のピーク時は午後10~11時で600件(18%)の衝突が発生し、合計2,645件(78%)の衝突は午後6時~午前6時に発生した。衝突の際、車の乗員は表示制限速度が時速40km以上の時に負傷しやすく、日光や雨による濡れた道路状況は負傷に対する危険度に有意な関連性はなかった。衝突場所に関するデータは郡レベルに限定されていたため、特に危険な道路や区域は確認に至らなかった。

References

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