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MMWR抄訳

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2006/10/13Vol. 55 / No. 40

MMWR55(40): 1098-1099
Botulism Associated with Commercial Carrot Juice - Georgia and Florida, September 2006

市販ニンジンジュースによるボツリヌス中毒-ジョージア州およびフロリダ州、2006年9月

2006年9月8日、ジョージア州公衆衛生局(GDPH)とCDCは、ジョージア州ワシントン郡における食品媒介性のボツリヌス中毒が疑わしい症例の通知を受けた。さらに、9月25日にフロリダ州保健省とCDCは、同州タンパにおける感染が疑わしい症例の通知を受けた。この報告は、州や地方の保健局、CDC、食品医薬品局(FDA)が取り組んだ合同調査と予防対策について述べている。9月8日、ジョージア州ワシントン郡の患者3名は、脳神経麻痺と進行性下行性弛緩性麻痺で呼吸不全となり、診察を受けた。3名は9月7日に同じ食事をとっており、9月8日夜に医師は食品媒介性ボツリヌス中毒を疑って州保健省に通知し、CDCで検査するために臨床検体を採取した。同夜、CDCは立会い診療実施後ボツリヌス抗毒素を急送し、翌朝患者に投与した。患者は神経症状の進行はなかったが、入院して人工呼吸が継続された。9月9日、ワシントン郡保健局、リッチモンド郡保健局、GDPHは調査を開始し、患者3名が9月7日の二度の食事でBolthouse Farms社製1リットル瓶入りニンジンジュースを含む食品を摂取していたことを確認、臨床検体および残存食品、ジュースが検査のためにCDCに送られ、9月13日にボツリヌス毒素A型が全患者の血清および便から検出された。また9月25日、フロリダ州保健省、ヒルズボロー郡保健局およびCDCは9月16日に同州タンパの患者1名が呼吸不全と下行性麻痺で入院したとの通知を受け、9月28日ボツリヌス毒素A型を患者の血清に確認した。発症後10日以上経過しても、完全に麻痺した患者の体内で毒素が循環していることが確認され、大量の毒素を摂取したことが示唆された。そのため患者は抗毒素で治療されたが、麻痺持続でそのまま入院し人工呼吸を継続した。ヒルズボロー郡保健局は、患者が滞在していたホテルからBolthouse Farms社製ニンジンジュースの450ml瓶を採取したが、ジョージア州の症例とは異なった製造番号であった。9月29日、患者の部屋で見つかった瓶入りニンジンジュースにボツリヌス毒素が確認され、毒素はボツリヌス毒素A型と同定された。患者4名が消費したニンジンジュースは、Bolthouse Farms社の製造で、50州とメキシコ、カナダ、香港に配送されていた。9月29日、GDPHとジョージア州農務省は、Bolhouse Farms社製ニンジンジュースを購入しないようにジョージア州住民に勧告し、同日、FDAは賞味期限2006年11月11日以前のBolthouse Farms社製ニンジンジュースを飲まないように警告した。Bolthouse Farms社は、これらの製品の自主回収を発表した。

References

  • St Louis ME, Peck SH, Bowering D, et al. Botulism from chopped garlic: delayed recognition of a major outbreak. Ann Intern Med 1998;108:363-8.
  • Morse DL, Pickard LK, Guzewich JJ, et al. Garlic-in-oil associated botulism: episode leads to product modification. Am J Public Health 1990;80:1372-3.

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