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ホーム IMICライブラリ MMWR抄訳 2006年（Vol.55)ワクチン由来ポリオウイルスの最新情報

MMWR抄訳

2006/10/13Vol. 55 / No. 40

MMWR55(40): 1093-1097
Update on Vaccine-Derived Polioviruses

1988年、世界保健総会は、世界中のポリオを根絶する決議を行った。世界保健機関（WHO）のGlobal Polio Eradication Initiative（PEI）は、世界中のポリオ発生を1988年の推定35万例から2005年の2,000弱報告症例まで減少させ、現在では4ヵ国（アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタン）のみに流行が残存している。しかし、世界的根絶に対する2つの新たな障害が、ワクチン由来ポリオウイルス（VDPVs）を引き起こす。つまり、ポリオのアウトブレイクは依然として経口ポリオワクチン（OPV）の低接種率地域におけるワクチン由来ポリオウイルス（cVDPVs）の伝播と関連があり、さらに神経毒性免疫不全によるワクチン由来ポリオウイルス（iVDPVs）の長期排出は、接触者へのポリオウイルス拡散につながる可能性があることである。OPVの高接種率は、VDPVsの拡散を含む全ポリオウイルス感染を予防するが、B細胞免疫不全（抗体産生に欠損を持つ）を有する特定の人におけるVDPV長期感染を防止できない。ワクチン接種率によって避けられないギャップは、OPV使用が続く限りcVDPVsを引き起こすことである。この報告は、VDPVsに関する報告を更新し、世界のポリオ根絶の最終段階におけるVDPVsの潜在的影響について述べている。その結果、野生ポリオウイルス（WPVs）が根絶された場合、VDPVs発生を予防し、全OPV使用を停止する戦略を強化する必要性を強調している。VDPVsの決定的な生物学的特性とは、ヒトでは麻痺性ポリオを発症する能力、また伝播が持続することでは潜在的あるいは顕在的な能力をもっていることである。VDPVsには突然変異を弱めるキーがなく、WPVsと生物学的に類似している。また、長期複製あるいは感染と一致する遺伝子の特性を有することで、大多数のワクチン関連分離株とは異なっている。VDPVsは、OPVに曝露後VDPV長期感染した原発性免疫不全患者から分離されたiVDPVs、不十分なOPV接種率地域に発生するcVDPVs、免疫不全が不明である患者からの臨床分離株および本源が確認されていない環境分離株であるaVDPVs、に3分類される。2001年以来、WHO全地域から約12,000分離株が、VDPVsのために定期的に選別された。

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