ホームIMICライブラリMMWR抄訳2006年(Vol.55)ラジオの飲酒広告に曝露される若者たち-米国、200・・・
2006/09/01Vol. 55 / No. 34
MMWR55(34): 937-940
Youth Exposure to Alcohol Advertising on Radio - United States, June-August 2004
米国では、喫煙や不法ドラッグ使用よりも飲酒をする未成年者が多い。過度のアルコール消費は、多くの健康を阻害し、社会的に影響を及ぼし、毎年未成年の約4,500人が死亡している。最近の研究によると、アルコールのマーケティングが未成年の飲酒の一因となっていると強調し、若者(12~20歳)志向であるメディアに多くの飲酒広告が出ていると指摘している。偏った未成年者で構成される聴取者を持つラジオ番組で放送されるラジオ広告の割合と、こうした広告の結果生じる若者全体が飲酒広告に曝露される割合を判定するために、Center on Alcohol Marketing and Youth(Health Policy Institute、ジョージタウン大学、コロンビア特別区)の研究者は、最も宣伝された米国のアルコール銘柄に関する個々のラジオ広告の配置、そして104の米国最大市場における聴取者構成を評価した。この報告はその研究結果を要約し、若者が多数であるような偏った聴取者のラジオ番組で飲酒広告が普及しており、未成年者が聴取する全飲酒広告でかなりの割合を占めることを示している。これらの結果は、1)若者に対するアルコールのマーケティングを制限する現在の自主規制が実施され強化されるべきであり、2)若者の飲酒広告曝露に対する監視を継続すべきであるとも指摘している。この研究では、未成年者とは12~20歳と定義された。12歳はラジオ広告の曝露が調査される最年少年齢であり、21歳は米国全州において法律に定められている最少の飲酒年齢である。全体で25件の最も宣伝されたアルコール銘柄に関する238のユニークなラジオ広告を、Video Monitoring Service(ニューヨーク市、ニューヨーク州)が列挙した。非製品広告(例えば責任ある飲み方の宣伝広告)は分析から除外された。米国人口の約50%の聴取者を占める米国トップ104のメディア市場における個々のラジオ番組に登場する広告頻度のデータは、Broadcast Verification Service(ニューヨーク市、ニューヨーク州)より入手された。主要銘柄25のうち24の広告が放送された。都市圏による広告の多様性を評価するため、米国人口の約1/3の聴取者を占める15の米国最大ラジオ市場から、一部のサンプル広告が分析された。モニタリングは、2004年6月15日から8月5日に行われた。飲酒広告に通常最も費やすこの期間が選択され、2004年は、広告の配置に関するデータが入手しやすい直近の年であった。104の全市場からのサンプルで評価された飲酒広告67,404件中の32,800(49%)件は、地域聴取者が未成年に偏った番組で放送された。15の最大ラジオ市場において、飲酒広告22,884件中の11,084(48%)件は、ヒューストンの24%からアトランタの76%までの範囲で、若者が多数の偏った聴取者を持つ番組で放送された。飲酒広告の割合は銘柄により異なり、全体では、ラジオの飲酒広告に曝露された全若者の71%は、若者が多数の偏った聴取者を持つ番組の広告により占められた。
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