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MMWR抄訳

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2006/07/21Vol. 55 / No. 28

MMWR55(28): 772-776
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - India, January 2005-June 2006

ポリオ根絶への進歩-インド、2005年1月~2006年6月

世界のポリオ根絶は、危機的な段階に到達した。ポリオは4ヶ国(アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタン)のみに流行が残存しており、2006年におけるほとんどの症例が4カ国から報告された。インドは、最も人口の多いポリオ流行国である。2005年初頭に、インド政府(GOI)とその協力者は、追加予防接種と調査戦略を実施することにより根絶に向けて努力を強化し、その中に経口単味ポリオワクチン1型と3型(mOPV1とmOPV3)も導入した。報告症例数は、2004年の134から2005年の66へと減少したが、2006年には復活し、2006年6月25日時点で、合計60症例が報告された。ある地域(西Uttar Pradesh[UP])では極めて強い地域内感染が続くが、インドの野生型ポリオウイルス感染は効果的介入を継続することによって撲滅可能である。この報告では、2005年1月から2006年6月までのインドにおけるポリオ根絶への進歩を要約している。急性弛緩性麻痺(AFP)のサーベイランスは、ポリオ根絶に不可欠であり、インドのAFPサーベイランスは現在の世界保健機構(WHO)の実施目標以上の調査指標を保持し、高レベルで継続している。ポリオの流行が残存しているUP州とBihar州においては、2005年1月から2006年6月までの年間非ポリオAFP率は、15歳未満の100,000人につき10症例より多く、適切な便検体の収集は80%より上位であった。また、2005年に麻痺発症のあった35地区からポリオ66症例を報告し、そのうち62症例(94%)はWPV1型(WPV1)、4症例(6%)はWPV3型(WPV3)であった。WPV3型の4症例は、UPで発症した。2006年5月に麻痺が発症し、2006年6月25日時点でポリオ60症例(57症例のWPV1型と3症例のWPV3型)が報告された。2005年の同時期において、18地域から20症例が発症したのに比べて、この60症例は20地域から発症した。このうち、46症例はUP州から、12症例はBihar州、1症例はUPに隣接する州、1症例はBihar州に隣接する州からであり、43症例(72%)は貧困層の子供に発症したが、2005年に報告された同様の症例は31例(47%)であった。Moradabad地区では、2006年の85%以上の症例は貧困層に発症した。インドでは、2006年における多数の症例は2才以下の子供に発症し、2005年では僅か15%であったのに比べて33%が12ヶ月以下の子供であった。Moradabadでは、2006年における症例の50%以上が12―23ヶ月の子供に報告された。ポリオ流行地におけるOPV3回投与の定期ワクチン接種率は、依然として低い(Bihar州で27%、西UP州で38%、東UP州で45%)(UNICEF、未公開データ、2005年)。これらの接種率を改善するために、新戦略が計画され、漸次実施される予定である。その中には、定期予防接種担当スタッフの雇用と訓練を含むほか、ワクチン予防可能な疾病調査を拡大し、そして特にWHOの予防接種拡大計画下にある全定期予防接種のためのキャンペーン活動を開始することが含まれている。

References

  • CDC. Progress toward interruption of wild poliovirus transmission-worldwide, January 2005-March 2006. MMWR 2006;55:458-62.
  • India Expert Advisory Group. Conclusions and recommendations: the twelfth meeting of the India Expert Advisory Group for Polio Eradication, New Delhi, India, December 5-6, 2005. New Delhi, India: National Polio Surveillance Project; 2005. Available at <http://www.npspindia.org/advisory.asp>.
  • CDC. Progress toward poliomyelitis eradication-India, January 2004-May 2005. MMWR 2005;54:655-9.
  • CDC. Resurgence of wild poliovirus type 1 transmission and consequences of importation-21 countries, 2002-2005. MMWR 2006;55:145-50.
  • Roberts L. Polio experts strive to understand a puzzling outbreak. Science 2006;312:1581.
  • India Expert Advisory Group. Conclusions and recommendations: the thirteenth meeting of the India Expert Advisory Group for Polio Eradication, New Delhi, India, May 4-5, 2006. New Delhi, India: National Polio Surveillance Project; 2006. Available at <http://www.npspindia.org/advisory.asp>.

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