刺青のある人におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌皮膚感染－オハイオ州、ケンタッキー州、バーモント州、2004～2005年

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MMWR抄訳

2006/06/23Vol. 55 / No. 24

MMWR55(24): 677－679
Methicillin-Resistant Staphylococcus aureusSkin Infections Among Tattoo Recipients － Ohio, Kentucky, and Vermont, 2004-2005

刺青のある人におけるメチシリン耐性黄色ブドウ球菌皮膚感染－オハイオ州、ケンタッキー州、バーモント州、2004～2005年

市中メチシリン耐性黄色ブドウ球菌（CA-MRSA）の感染は、米国における皮膚疾患の主要な原因として出現した。CA-MRSAは、運動選手、更生施設の受刑者、予備役兵の間で発症した。この報告は、皮膚および軟部組織感染において、関連のない6つのクラスター調査を要約している。感染は、オハイオ、ケンタッキー、バーモントの3州における13名の無許可刺青師から刺青された44名のCA-MRSAによってもたらされ、感染原因は非衛生な器具使用や不十分な感染予防による可能性があると考えられた。医療従事者は、鑑別診断においてCA-MRSAが皮膚感染を含むブドウ球菌による疾病であることを考慮する必要があり、地域のCA-MRSAの罹患率や疾病の報告義務の有無を判断するために、地方の保健所に連絡を取ることができる。また無許可で刺青をすることの危険性に注目した教育や予防キャンペーンに、MRSA感染を付け加えるべきである。刺青が原因と思われるCA-MRSA皮膚感染の一次症例は、ブドウ球菌感染症（炎症、毛嚢炎、紅斑、膿瘍）と一致した皮膚感染と定義され、最近彫られた刺青の近くで発症し、その人の培養からMRSAが検出された。二次症例は、ブドウ球菌性疾患と一致する皮膚感染と定義され、最近刺青を彫らなかったがMRSAが検出され、また刺青をしたMRSA患者と密接な接触があった人に発症した。34の一次症例と10の二次症例が、3州において確認され、患者の年令は15歳から42歳までであった。大半は男性（73%）、白人（63%）であり、黒人は35%であった。オハイオ州のC型肝炎患者1名を除き、基礎的疾患あるいは危険因子は確認されなかった。刺青をしてから症状が出るまでの時間は4-22日であり、潜伏期間はこの報告に記述されている二次症例には記録されなかった。多くの感染は軽度から中等度であり、蜂巣炎や小膿庖から外科的切開やドレナージを必要とする大きな膿瘍までであった。多くの感染は外科的ドレナージや経口抗菌剤で回復した。

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