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MMWR抄訳

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2006/04/28Vol. 55 / No. 16

MMWR55(16):458-462
Progress Toward Interruption of Wild Poliovirus Transmission - Worldwide, January 2005- March 2006

野生型ポリオウイルス伝播遮断の前進-全世界、2005年1月~2006年3月

2005年には全世界でのポリオウイルス根絶が進み、ポリオが風土病である国は4ヶ国(アフガニスタン、インド、ナイジェリア、パキスタン)に減少した。アフリカとアジアでは以前ポリオフリーであった22ヶ国で2003年以降に再感染がみられたが、2005年7月以降にWPV伝播が報告されたのはこのうち8ヶ国のみであり、これら国々(ソマリア以外)でも伝播はかなり減少した。また2005年にはインドとパキスタンもポリオ根絶に近づいている。この報告では、ポリオ根絶活動の状況と2005年1月-2006年3月のWPV発生率、根絶達成に対する脅威について述べる。WHOの各管轄地域における2004年の乳児に対するルーチンでの経口ポリオワクチン3回接種(OPV3)の実施率は69%(アフリカ地域)-94%(ヨーロッパ地域)であり、ポリオが依然として風土病であるナイジェリア、パキスタン、アフガニスタン、インドにおける接種率はそれぞれ39、65、66、70%であった。2005年には51ヶ国で234回のOPV追加予防接種(SIA)が実施された。2006年3月31日現在の暫定的な統計によると、2005年には全世界でポリオ症例が1,948例報告され(2004年:1,255例)、2004年・2005年ともナイジェリアからの報告数が最も多かった(それぞれ782例、799例)。また2005年には再感染国からの報告数(全体の53%)がポリオを風土病とする国々からの報告数を初めて上回った。エジプトとニジェールは土着ウイルス伝播のエビデンスが12ヶ月間みられなかったため、2006年2月にポリオを風土病とする国のリストから除外された。全世界でのポリオ根絶における最大の脅威はナイジェリア北部においてポリオウイルス伝播がコントロールされていないことである。政府と医療関係者は全ての小児がワクチン接種を確実に受けられるよう努力する必要がある。

References

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