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MMWR抄訳

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2006/03/03Vol. 55 / No. 8

MMWR55(8):204-207
Deaths Associated with Hypocalcemia from Chelation Therapy - Texas, Pennsylvania, and Oregon, 2003-2005

キレート治療による低カルシウム血症関連死-テキサス州、ペンシルバニア州、オレゴン州 2003~2005年

キレート剤は軟部組織中の鉛に結合し、鉛の尿中および胆汁中排泄を促進させ体内の鉛濃度を低下させるため、鉛中毒の治療に使用される。キレート剤は他の重金属やミネラルの排泄も促進する。この報告では、キレート治療中に低カルシウム血症が発現し心停止をきたした3症例(2歳女児[テキサス州、2005年2月]、5歳男児[ペンシルバニア州、2005年8月]、53歳女性[オレゴン州、2003年8月])を紹介する。鉛中毒の治療には、エデト酸ニナトリウムカルシウム(CaEDTA)、ジメルカプロール、D-ペニシラミン、メソ-2,3-ジメルカプトコハク酸などの薬剤が使用されているが、これらの症例の小児2例では高カルシウム血症治療に使用されるキレート剤のNa2EDTAが使用されていた(成人症例でもEDTAが使用されており、CaEDTAかNa2EDTAか調査中)。Na2EDTAは腎毒性があるためより毒性の低い代替薬が使用されるようになっており、その使用頻度は減少している。またNa2EDTAは小児患者における安全性と有効性が確立されておらず、低カルシウム血症や致死的なテタニーを誘発する可能性があり、小児患者への使用は勧められていない。キレート剤に詳しくない健康管理者は、鉛中毒の化学療法を行う前に専門家に相談するべきである。また病院の薬剤部は低カルシウム血症のリスクや、より毒性の低い代替薬の利用、およびFDAによる安全性レビューを考慮し、Na2EDTAのストックの必要性について評価するべきである。健康管理者と薬剤師はキレート治療中の小児にNa2EDTAを絶対に投与しないようにしなければならない。

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