ワクチン未接種小児4例におけるポリオウイルス感染症－ミネソタ,2005年8月～10月

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MMWR抄訳

2005/10/21Vol. 54 / No. 41

MMWR54(41):1053－1055
Poliovirus Infections in Four Unvaccinated Children - Minnesota, August-October 2005

ワクチン未接種小児4例におけるポリオウイルス感染症－ミネソタ,2005年8月～10月

2005年9月29日、Minnesota Department of Health（MDH）はポリオワクチン未接種者の多いアーミッシュ・コミュニティ(Amish Community)に居住するワクチン未接種の免疫無防備状態の7歳女児（発端者）において1型ポリオウイルスの感染を確認した。本症例では麻痺はみられず、感染源は不明であった。その後、発端者のコミュニティ内の他の小児3例でポリオウイルス感染が確認された。この報告では、現在までの調査結果の概要、ポリオウイルス曝露リスクとアメリカにおける予防策に関する情報、州の健康局と医師に向けた勧告を紹介する。発端者は2005年7月に肺炎のためミネソタ州の病院を受診し、8月22日以降は成長異常、下痢、再発性感染症のためさらに3ヶ所の病院に続けて入院していた。患者は厳格に隔離され、9月15日に重症複合型免疫不全症（SCID）と診断された。8月27日に採取した便検体より分離された腸内ウイルスは、ワクチン由来ポリオウイルス（VDPV）1型と確認された。ウイルスのゲノムデータよりこのポリオウイルスは他の免疫不全患者から発端者に伝播した可能性が示唆されたため、コミュニティでの接触者や医療従事者、ポリオウイルス培養陽性となった8月27日以前に発端者と接触した可能性のある患者などを対象とし、ポリオワクチン接種状況や免疫状態、最近かかった疾患などについて調査が開始されている。また発端者が治療を受けた4ヶ所の病院では、この患者を感染源とする院内感染の発生について調査中である。発端者のコミュニティのメンバーを対象とした調査では、現在までに24世帯中5世帯、32名より採取された便検体のうち3検体で1型VDPVが検出された。陽性検体は発端者の世帯ではない1世帯のワクチン接種を受けていない兄弟より採取されたものであった。現在、さらに範囲を拡大して発端者と接触した可能性のある者の同定と疾患のモニタリングを実施している。このコミュニティおよび同様のコミュニティを受け持っている病院は連絡をとりあっており、レトロスペクティブおよびプロスペクティブなサーベイランスによりポリオウイルス感染と一致する病状を示す疾患（急性弛緩性麻痺、ギランバレー症候群など）と診断された患者について確認中である。ワクチン接種率の低いコミュニティの住民に対しポリオ発症の可能性があることを警告する必要がある。またワクチン接種率の低い大規模コミュニティが存在する州では、現在のワクチン接種状況を評価する必要がある。

References

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