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MMWR抄訳

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2005/03/25Vol. 54 / No. 11

MMWR54(11):274-276
Varicella Surveillance in Public Elementary Schools - Multnomah County, Oregon, 2002-2004

公立小学校における水痘サーベイランス-オレゴン州Multnomah郡,2002~2004年

1996年、Advisory Committee on Immunization Practices(ACIP)は生後12―18ヶ月齢の全ての小児に対するルーチンでのワクチン接種、13歳以下の全ての易感染性小児に対するキャッチアップワクチン接種、重度合併症のハイリスク患者と接触した易感染者および曝露リスクの高い易感染者に対するワクチン接種を勧告した。Oregon Health Services(OHS)とMultnomah Education Service District(MESD)は水痘発生数の変化を監視するため、2002―03年度からMESDが雇用した学校看護師26名が受け持っているMultnomah郡の公立小学校109校においてルーチンでの個別的症例ベース水痘サーベイランスを開始した。2002年、Multnomah郡における5―10歳の小児の77%にあたる公立小学校の生徒37,850名のデータを収集した。2002―03年度には109校中45校、24名の学校看護師が水痘の疑いがある小学生130例を報告した。このうち114例(88%)は水痘と確定され、残り16例にはワクチンを接種した。2002―03年度の水痘発症のピークは10月―1月であり、この間に75例(66%)が発症した。未確認例のサーベイランスにて、67教室、96例の水痘小児に曝露された1,479名の生徒のうち11名で水痘発症を認めた。2003―04年度には31校25名の学校看護師が水痘である生徒93例を報告した。このうち82例(88%)は確定例で、残り11例にはワクチン接種を行った。両年度とも水痘症例の約60%が1教室内での単発例として発症しており、40%は教室内アウトブレイク中(1教室に発症日の間隔が21日以内の水痘患者が2例以上)の発症例であった。発症者の年齢は7歳(22%)、6歳(19%)、8歳(15%)、9歳(14%)、10歳(12%)、5歳(10%)であった。69%の患者はワクチン接種を受けており、28%はワクチン未接種あるいは水痘未罹患例であった。学校看護師は、水痘患者確認後速やかにOHSへ報告していた。以上の所見は、オレゴン州における水痘症例の減少と公立小学校ベースの水痘サーベイランスの有用性を示唆する。

References

  • CDC. Prevention of varicella: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR 1996;45 (No. RR-11).
  • CDC. Prevention of varicella: updated recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR 1999; 48(No. RR-6).
  • Portland State University. Annual Oregon population reports and supplements, 2002. Portland, OR: Portland State University, Population Research Center; July 2002.
  • CDC. Varicella-related deaths-United States, 2002. MMWR 2003;52:54.
  • Seward JF, Watson BM, Peterson CL, et al. Varicella disease after introduction of varicella vaccine in the United States, 1995-2000. JAMA 2002;287:606-11.
  • CDC. Decline in annual incidence of varicella-selected states, 1990- 2001. MMWR 2003;52:884-5.
  • Council of State and Territorial Epidemiologists. Position statement ID-09: Varicella surveillance and control. Des Moines, IA: Council of State and Territorial Epidemiologists; 1998.
  • Council of State and Territorial Epidemiologists. Position statement 02-ID-06: Varicella surveillance. Kansas City, MO: Council of State and Territorial Epidemiologists; 2002.
  • CDC. Varicella [Chapter 14]. In: Wharton M, ed. Vaccine preventable disease. Surveillance manual. 3rd ed. Atlanta, GA: US Department of Health and Human Services, CDC; 2002.

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