一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)ポリオ根絶への進歩-スーダンにおけるポリオの発生、・・・

MMWR抄訳

rss

2005/02/04Vol. 54 / No. 4

MMWR54(4):97-99
Progress Toward Poliomyelitis Eradication - Poliomyelitis Outbreak in Sudan, 2004

ポリオ根絶への進歩-スーダンにおけるポリオの発生、2004年

1988年にWHOが世界的にポリオ根絶を宣言した後、ポリオを風土病とする国は2003年までに125ヶ国から6ヶ国に減少したが、2004年、ナイジェリア北部を感染源として11ヶ国(ベニン、ボツワナ、カメルーン、ギニア、マリ、サウジアラビア、ブルキナファソ、中央アフリカ共和国、チャド、コートジボワール、スーダン)において野生株ポリオウイルス(WPV)によるポリオ症例が報告された。スーダンでは2001年5月―2004年4月までWPVは報告されていなかったが、5月、西ダルフル州にてWPV症例が報告され、その後、国内26州のうち17州に発生が拡大した。Sudanese Ministry of Healthは乳児における経口ポリオワクチン3回接種率(OPV3)は2003年、74%と報告している(WHOおよびUNICEFによる推定接種率は50%)。全国予防接種日(NID)は1998―2002年にわたり、年2回実施され、2003および2004年にはSNIDがそれそれ3回、2回実施され、各回68,000―300万人の小児が接種を受けていた。2004年5月に1型WPV(WPV1)が検出された後、北、南および西ダルフル州にて7月および8月にワクチン接種が行われ、それぞれ100万、140万人の小児が接種を受けた。さらに8、9月にはBahr EI Gazal州にて50万人の小児に接種され、NIDも10、11月に実施され、760万人の小児に接種された。また、11月にUpper NileにてWPV1症例が認められた後、この地域でもNIDが実施され、2004年の接種率は95%に達している。急性弛緩性麻痺(AFP)調査では2003年6州、2004年5州を除き、基準値(15歳未満の小児10万人あたり1.0以上、検体回収率80%以上)を満たしている。また、検出されたWPV株は15州109例が1型WPV、3州3例が3型WPVであり、1州にて両方が検出されている。WPV1分離株74検体のうち、70検体(95%)はナイジェリアおよびチャド北部のWPV株との関連性が示唆されているが、他の4株は遺伝子系統が異なり、発生源は不明である。WPV3株はいずれも同じ遺伝子型(East Africa)を示し、1999年にRiver Nile州にて検出された株を含むため、未確認のWPV感染が示唆されている。今後も西、中央アフリカ諸国などからの輸入株により感染が危惧されるため、特に西部、南部地域では徹底した予防接種が重要であろう。

References

  • CDC. Progress toward poliomyelitis eradication-Ethiopia, Somalia, and Sudan, January 2001-October 2002. MMWR 2002;51:1070-2.
  • World Health Organization. Poliomyelitis eradication in Africa-update on importations. Wkly Epidemiol Rec 2004;79:253-4.
  • World Health Organization. Poliomyelitis outbreak escalates in the Sudan. Wkly Epidemiol Rec 2005;80:2-3.

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ