ホームIMICライブラリMMWR抄訳2005年(Vol.54)乳児の百日咳致死症例-ウェストバージニア,2004・・・
2005/01/28Vol. 54 / No. 3
MMWR54(3):71-72
Fatal Case of Pertussis in an Infant - West Virginia, 2004
2004年12月、ウェストバージニア州において生後29日の乳児が百日咳の可能性のある家族(成人)への曝露後、百日咳のため死亡した。この報告は、West Virginia Department of Health and Human Resources(WVDHHR)による症例調査の結果をまとめたものである。12月11日、ある乳児が呼吸困難のため地域の救急外来(ED)を受診した。この乳児は咳が約5日間続いていた。各種検査所見より肺炎および呼吸不全と診断され、ED入院から3時間後小児ICU(PICU)へ移送された。PICUでは感染予防策下におき、臨床徴候よりBordetella pertussis感染を疑いアジスロマイシンの投与などを開始した。しかしその後症状は悪化し、入院から約30時間後に死亡した。PICU入室後に採取した鼻咽頭検体はPCR法にてB.pertussis陽性であり、臨床所見などに基づき百日咳と診断した。この乳児の20歳の母親は乳児出産の約3週間前から発作性咳、咳後の嘔吐、フープが続いており、咳は乳児死亡後も残っていた。乳児の母方の祖母(58歳)も乳児の母親が発症する約2週間前から発作性咳嗽が続き、22歳の父親も乳児が発症する2週間前から3週間以上発作性咳嗽疾患が続いていた。その後、乳児死亡時に咳嗽疾患を有していた接触者4例が百日咳であることを確認した。また感染予防策をとっていなかったこの乳児の出産病院の職員30名とED職員11名は接触の可能性があるとし、最近3週間に乳児および症候性の家族と接触した24例にエリスロマイシンの投与を行った。健康管理者は、診断されていない咳嗽疾患を有する青少年や成人から乳児への百日咳の伝播を防ぐ必要がある。
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