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MMWR抄訳

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2004/12/24Vol. 53 / No. 50

MMWR53(50):1171-1173
Recovery of a Patient from Clinical Rabies - Wisconsin, 2004

狂犬病患者の回復-ウイスコンシン州,2004年

2004年10月、ウイスコンシン州Fond du Lac郡の15歳女性が狂犬病と診断された。この報告は、Wisconsin Division of Public Health(WDPH)により実施された調査結果とFond du Lac郡における公衆衛生上の対応、12月17日までの患者の臨床経過の概要を紹介したものである。この女性は9月に教会で床に落下したコウモリを外に放した際、左人差指をコウモリにかまれた。傷口を過酸化水素水で消毒したが、狂犬病に対する適切な曝露後予防(PEP)は行わなかった。約1ヶ月後、疲労と左手の疼痛および麻痺が発現し、さらにその後複視や両側第6神経麻痺、歩行障害、発熱などが発現した。発症6日目、コウモリにかまれたことが報告され、その後患者の血清およびCSFの検査にて狂犬病ウイルス特異的抗体が検出された。治療として、薬剤誘発性昏睡および人工換気などによる支持療法と神経保護、リバビリン投与を行った。12月17日現在、まだ入院中であるが症状は順調に改善している。州および地域の公衆衛生局は一般市民に狂犬病とその伝播についての情報を提供するため、10月21日に報道機関に対する会見を行った。また患者の唾液や嘔吐物に曝露された患者の家族5名と医療関係者35名中5名、一般接触者55名中27名が狂犬病のPEPを受けた。コウモリおよび他の野生生物との接触後の狂犬病リスクを最小限にするためには、狂犬病に対する一般市民の意識を高める必要がある。

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