ホームIMICライブラリMMWR抄訳2004年(Vol.53)世界的なポリオ根絶に向けた進展,2003年1月~2・・・
2004/06/25Vol. 53 / No. 24
MMWR53(24):532-535
Progress Toward Global Eradication of Poliomyelitis, January 2003-April 2004
1988年以降の世界的なポリオ根絶活動により、ポリオを風土病とする国の数は1988年の125カ国から2003年には6カ国に減少した。この報告では2003年1月―2004年4月の世界におけるポリオ根絶への進展状況と根絶活動の概要を紹介する。全世界における経口ポリオウイルスワクチン3回接種(OPV3)の乳児接種率は、2000年、2001年、2002年でそれぞれ82%、75%、75%であった。WHO管轄地域別の接種率は56%(アフリカ地域)―93%(ヨーロッパ地域)、国別接種率は25%―99%であった。ポリオが風土病である国々のOPV3接種率は、エジプト97%、インド70%、パキスタン63%、アフガニスタン48%、ニジェール25%、ナイジェリア25%であった。2003年には追加予防接種活動(SIA)の実施回数が増加し、55カ国で157回実施され、対象となった5歳未満の小児は4億1,500万人に達した。急性弛緩性麻痺(AFP)サーベイランスは全ての国々で定着し、2003年の非ポリオAFP率は1.9、適切な検査検体採取率は86%であった。ポリオ患者数は2002年の1,918例から2003年には784例に減少し、2004年1月―4月は185例であった。しかし2003年には以前ポリオフリーであった西・中央アフリカの8カ国(ベニン、ブルキナファソ、カメルーン、中央アフリカ共和国、チャド、ガーナ、コートジボワール、トーゴ)とボツワナ、レバノンでポリオウイルスの輸入が報告された。2004年末あるいは2005年早期までに野生株ポリオウイルスの伝播を遮断するためには、ポリオが風土病である国々やポリオ輸入の可能性のある西・中央アフリカの国々における予防接種キャンペーンなどのポリオ根絶活動を強化する必要がある。
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