金庫上の防犯装置から放出された催涙ガスによる曝露―ウィスコンシン,2003年12月

日本語
English

ホーム IMICライブラリ MMWR抄訳 2004年（Vol.53)金庫上の防犯装置から放出された催涙ガスによる曝露―･･･

MMWR抄訳

2004/03/05Vol. 53 / No. 8

MMWR53(8):176―177
Exposure to Tear Gas from a Theft- Deterrent Device on a Safe - Wisconsin, December 2003

金庫上の防犯装置から放出された催涙ガスによる曝露―ウィスコンシン,2003年12月

2003年12月4日、ウィスコンシン州ベロイトの宝石店で店のオーナーが化学的防犯装置のついた古い金庫の扉のネジを締めたとき、危険物質(HazMat)の放出が起こった。この装置は液体の入ったガラスビンを金属で覆ったもので、ネジをしっかり締めると割れて約4オンスの催涙ガスが放出されるようになっていた。店のオーナーは目と皮膚の刺激が持続し、病院で治療を受けた。建物内にいたり近くで仕事をしていた12名は、レベルA HazMatチーム、市の消防士、救急医療技術者が放出物の処理をしている間、3時間避難させられた。1920年代初め、一部の金庫や貯蔵庫には化学薬品の入ったビンを内蔵した防犯装置がついており、これら装置には一般的にクロロピクリンが使用されていた。クロロピクリンは第一次世界大戦中化学兵器として使用されており、その曝露により眼や皮膚、呼吸器の刺激、涙液分泌、咳などが起こる。古い金庫や貯蔵庫を使用している人々にはこのような防犯装置の確認方法を知らせる必要がある。装置が確認された場合には、訓練を受けた専門家のみがその装置の除去あるいは中和を試みるべきである。さらに装置の除去時には適切な個人用防御器具を装備し、装置の内容物が放出された場合にはその地域から即座に避難すべきである。眼や皮膚などの刺激といった症状がみられた場合には、すぐに病院を受診する必要がある。

References

National Institute for Occupational Safety and Health (NIOSH). NIOSH Pocket Guide to Chemical Hazards. Cincinnati, Ohio: U.S. Department of Health and Human Services, CDC, National Institute for Occupational Safety and Health, 1997. Available at ＜http://www.cdc.gov/niosh/npg/npg.html＞.
Cain T. Quick response eases fear of tear gas exposure. University of Iowa Hygienic Laboratory Hotline, 2000;38:2. Available at ＜http://www.uhl.uiowa.edu/publications/hotline/2000_06/response.html＞.
Agency for Toxic Substances and Disease Registry. Hazardous Substances Emergency Events Surveillance System Biennial Report, 1999-2000. Atlanta, Georgia: U.S. Department of Health and Human Services, Agency for Toxic Substances and Disease Registry, 2001. Available at ＜http://www.atsdr.cdc.gov/HS/HSEES＞.
U.S. Department of Transportation. Emergency Response Guidebook. Available at ＜http://hazmat.dot.gov/gydebook.htm＞.