一般財団法人 国際医学情報センター 信頼できる医学・薬学・医療情報を適切に提供することによって健康社会に貢献します。

一般財団法人 国際医学情報センター

IMICライブラリ IMIC Library

ホームIMICライブラリMMWR抄訳2003年(Vol.52)ブラックタールヘロイン使用者における創傷ボツリヌス・・・

MMWR抄訳

rss

2003/09/19Vol. 52 / No. 37

MMWR52(37) : 885-886
Wound Botulism Among Black Tar Heroin Users - Washington, 2003

ブラックタールヘロイン使用者における創傷ボツリヌス中毒-ワシントン州,2003年

2003年8月22-26日、ワシントン州Yakima郡にて静注麻薬使用者4例(31-50歳、男女各2)が数日間の脱力感、眼瞼下垂、霧視、発語/嚥下困難により受診した。全例ともブラックタールヘロイン(BTH)非静注用注射器を常用していた。夫婦であった2例およびその他1例は一緒に薬物を使用したが注射器の共用は夫婦間のみであった。残る1例とその他3例に社会的な共通点はなかったが、全例とも同一のディーラーからBTHを入手していた。症状として脳神経麻痺、眼筋麻痺、構語障害、絞扼反射の低下または消失、上肢脱力感を有したが、感覚消失は認めなかった。入院14-24時間に全例とも抗毒素が投与され、注射部位の感染創傷の治療にアンピシリン/スルバクタムが静注された。皮下投与した2例は呼吸困難のため人工呼吸器を装着、筋注した2例は症状が軽度であったため入院17、19日目に退院した。2例において血清検体からボツリヌスA型毒素が検出されたが、残る2例からは確認されなかった。現在CDCにてClostridium菌の検査が行われている。

References

  • Sandrock CE, Murin S. Clinical predictors of respiratory failure and long-term outcome in black tar heroin-associated wound botulism. Chest 2001;120:562-6.
  • CDC. Wound botulism-California, 1995. MMWR 1995;44:889-92.
  • Werner SB, Passaro D, McGee J, et al. Wound botulism in California, 1951-1998: recent epidemic in heroin injectors. Clin Infect Dis 2000;31:1018-24.
  • Passaro DJ, Werner SB, McGee J, et al. Wound botulism associated with black tar heroin among injecting drug users. JAMA 2000;279:859-63.
  • Yakima Health District. Fatal soft tissue infections in drug injectors. YHD Bulletin 2002;1:1,4.

ページトップへ

一般財団法人 国際医学情報センター

〒160-0016 
東京都新宿区信濃町35番地 信濃町煉瓦館
TEL:03-5361-7080 (総務課)

WEBからのお問い合わせ

財団や各種サービスについてのお問い合わせ、お見積もりのご依頼、
サービスへのお申し込みはこちらをご覧ください。

お問い合わせ