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MMWR抄訳

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2003/07/11Vol. 52 / No. 27

MMWR52(27) : 642-646
Update: Multistate Outbreak of Monkeypox - Illinois, Indiana, Kansas, Missouri, Ohio, and Wisconsin, 2003

最新情報:多州にわたるサル痘のアウトブレイク-イリノイ,インディアナ,カンザス,ミズーリ,オハイオ,ウィスコンシン州,2003年

7月8日現在、CDCには71例のサル痘症例が報告されている[男32女39、年齢中央値28(1-51)歳、ウィスコンシン39、インディアナ16、イリノイ12、ミズーリ2、カンザス1、オハイオ1]。うち35例(49%)はCDCでの検査確認例、36例(51%)は検査中の疑い例と可能性例であった。前回報告した症例のうち11例は最新患者定義の除外基準に合致したため除外され、1例が新たに加わった。データが得られた69例中18例(26%)が入院した。症例数は5月15日-6月8日に増加しその後減少している。検査確認例35例の発症日は5月16日-6月20日、潜伏期間中央値は12日間(1-31日間)であった。6月13日以降、6州で30名がサル痘伝播防止のため天然痘ワクチンの接種を受けた(曝露前接種7名、曝露後接種23名)。ワクチン接種後に重度の副作用の報告はなかった。サル痘確認例35例はイリノイ州の動物販売業者(IL-1)またはIL-1経由で動物を仕入れている動物販売業者から入手したプレーリードッグと関連していた。IL-1のプレーリードッグは4月21日にIL-1が購入したガーナ産のガンビアネズミ、ヤマネとの接触を通して感染したと思われる。4-5月にIL-1の施設には約200匹のプレーリードッグがおり、感染あるいはその可能性のあるプレーリードッグ93匹についてIL-1から6州までの追跡調査が行われた。CDCはIL-1のプレーリードッグ4匹においてサル痘ウイルスを確認した。アメリカでのサル痘発生源は、4月9日にガーナからアフリカ産げっ歯類762匹を含む約800匹の小型哺乳類を輸入したテキサス州の動物販売業者にあることが確認された。輸入されたこれら動物はサル痘感染を拡大させる可能性があるため、それらのさらなる追跡調査が開始された。762匹のげっ歯類のうち584匹(77%)は6州の販売業者まで追跡できたが、178匹(23%)は記録がないため追跡不可能であった。サル痘感染の疑い例、可能性例、確認例のうち、これらアフリカ産げっ歯類との直接接触に関連した症例はみられなかった。さらにこれらアフリカ産げっ歯類と接触した動物におけるサル痘感染は、IL-1のプレーリードッグ以外報告されなかった。

References

  • CDC. Update: multistate outbreak of monkeypox-Illinois, Indiana, Kansas, Missouri, Ohio, and Wisconsin, 2003. MMWR 2003;52:616-8.
  • CDC. Update: multistate outbreak of monkeypox-Illinois, Indiana, Kansas, Missouri, Ohio, and Wisconsin, 2003. MMWR 2003;52:589-90.
  • CDC. Update: multistate outbreak of monkeypox-Illinois, Indiana, Kansas, Missouri, Ohio, and Wisconsin, 2003. MMWR 2003;52:561-4.
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  • Council of State and Territorial Epidemiologists. Developing importation and exportation restrictions on exotic and native wildlife with potential adverse impact on public health. Position paper. Available at <http://www.cste.org/PS/2003pdfs/03-ID-13%20-%20FINAL.pdf>.

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