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MMWR抄訳

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2003/07/07Vol. 52 / No. 26

MMWR52(26) : 616- 618
Update: Multistate Outbreak of Monkeypox - Illinois, Indiana, Kansas, Missouri, Ohio, and Wisconsin, 2003

最新情報:多州にわたるサル痘のアウトブレイク-イリノイ,インディアナ,カンザス,ミズーリ,オハイオ,ウィスコンシン州,2003年

7月2日現在、CDCには81例のサル痘症例が報告されている[男38女43、年齢中央値27(1-51)歳、ウィスコンシン39、インディアナ22、イリノイ16、ミズーリ2、カンザス1、オハイオ1]。32例(40%)はCDCによる検査確認例、49例(60%)は検査中の疑い例と可能性例であった。前回報告した症例のうち1例は最新患者定義の除外基準に合致したため除外され、3例が新たに加わった。データが得られた78例中19例(24%)が入院した。前回報告したび漫性の痘疹病変と有痛性のアデノパシーがみられた小児1例は、症状が改善し6日後に退院した。皮疹部位の確認検査でサル痘ウイルス陽性であった。CDCにおいて培養、PCR、免疫組織化学的検査、電子顕微鏡観察により皮疹病変中にサル痘ウイルスが検出された確定診断例は81例中31例であった。これら症例は5月16日-6月20日に発症した。潜伏期間中央値は12日間(1-31日間)であり、大部分が野生または輸入されたプレーリードッグなどの哺乳類への曝露歴があった。6月13日以降、6州の住民28例がサル痘伝播防止のため天然痘ワクチンの接種を受けた(曝露前接種4例、曝露後接種24例)。曝露後ワクチン接種を受けた小児1例では、接種から6日後に皮疹が発現した。皮疹部位はPCR法にてサル痘ウイルス陽性であった。この小児は感染プレーリードッグ2匹とサル痘ウイルス感染確認例(成人)1例とともに居住しており、ワクチン接種前の感染動物への曝露期間は25日間で、家族内感染者の皮疹発現から12日後に皮疹が発現した。アメリカで発生したサル痘は4月9日にガーナからテキサス州に輸入された動物が感染源と考えられている。4月9日に輸入された動物は9種類約800匹で、CDCの検査によりガンビアネズミ1匹、ヤマネ3匹、リス2匹においてサル痘ウイルス感染が明らかになり、多くの動物に感染の疑いがあることが確認された。CDCは4月9日に輸入された全てのげっ歯類や、輸入動物あるいは他のサル痘感染動物に曝露したプレーリードッグの隔離と安楽死に関する指導を発表した。またCDCとFDAは6月11日にアフリカ産げっ歯類の輸入禁止令を出した。さらにプレーリードッグと6種類のアフリカ産げっ歯類についてアメリカ内での販売と輸送を禁止するとともに、これら動物を野生に放つことも禁止した。医療従事者、獣医、公衆衛生局員は動物やヒトにおけるサル痘について注意を払い、感染が疑われる場合には州や地域の衛生局に報告する必要がある。

References

  • CDC. Multistate outbreak of monkeypox-Illinois, Indiana, and Wisconsin, 2003. MMWR 2003;52:537-40.
  • CDC. Update: multistate outbreak of monkeypox-Illinois, Indiana, Kansas, Missouri, Ohio, and Wisconsin, 2003. MMWR 2003;52: 561-4.
  • CDC. Update: multistate outbreak of monkeypox-Illinois, Indiana, Kansas, Missouri, Ohio, and Wisconsin, 2003. MMWR 2003;52: 589-90.

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