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MMWR抄訳

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2002/12/13Vol. 51 / No. 49

MMWR51(49) : 1115- 1116,2002
Measles Outbreak Among Internationally Adopted Children Arriving in the United States, February-March 2001

アメリカに到着した国際養子における麻疹の発生,2001年2~3月

2001年2月16日、Texas Department of Healthに中国の孤児院からアメリカへ養子に来た10ヶ月の小児における麻疹の発症が報告された。移民手続きのため養父母となる家族が2週間以上中国に滞在しており、また養子縁組のためこの孤児院を訪問していた63家族、国際養子縁組代理人16名、ビザ取得のため診察した病院スタッフ、アメリカ領事館職員、アメリカへの国際および国内線の乗客と乗務員、帰国した家族と面会した養子代理人などがこの小児と接触している。最近、中国から養子として渡米した小児とその家族および接触者において、14例の麻疹症例が国内で確認されている。発症症例の内訳は、養子として渡米した9-12ヶ月の小児10例(ニューヨーク州3、オハイオ州2、イリノイ/インディアナ/ミネソタ/ミズーリおよびテキサス州各1)、アメリカ人養母2例(インディアナ州 : 46歳、ミズーリ州 : 39歳)、アメリカ人の世話人1例(コネチカット州 : 47歳)、中国から来た健康な養子の兄弟1例(ジョージア州 : 28ヶ月)であった。全例とも2001年2-3月に確認され、輸入症例13例の発症時期は2月15日-3月7日であった。麻疹の潜伏期間から中国での感染が示唆され、孤児院での感染の可能性が高いが、健康診断や旅行中の可能性も考えられた。この孤児院では麻疹の予防接種は行われておらず、予防接種実施後の発症は認められていない。1997-2001年におけるアメリカでの麻疹症例は86-138例であり、うち輸入症例は26-47%を占め、国際養子における麻疹は1997年2%から2001年20%へと増加している。1996年以降、移民ビザ取得には麻疹を含む予防接種が必要とされるが、10歳以下の国際養子は渡米後30日以内に接種を受ければよいことになっている。養父母はこれら感染症の危険性を十分考慮の上、家族の予防接種の接種状態を把握し、養子には可能な限り迅速に予防接種を受けさせることが重要である。

References

  • CDC. Measles, mumps, and rubella-vaccine use and strategies for elimination of measles, rubella, and congenital rubella syndrome and control of mumps: recommendations of the Advisory Committee on Immunization Practices (ACIP). MMWR 1998;47(No. RR-8).
  • Illegal Immigration Reform and Immigrant Responsibility Act. Public Law no. 10-208, 110 Stat 3009 (1996).

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