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形質細胞性腫瘍(多発性骨髄腫を含む)

概説

このセクションの要点
  • 形質細胞性腫瘍は体内で過度に多くの形質細胞がつくられる病気です。
  • 形質細胞性腫瘍は良性(がんではない)と悪性(がん)があります。
  • 形質細胞性腫瘍にはいくつかの種類があります。
    • 意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)
    • 形質細胞腫
    • 多発性骨髄腫
  • 多発性骨髄腫と他の形質細胞腫瘍はアミロイドーシスと呼ばれる状態の原因となる可能性があります。
  • 年齢は形質細胞性腫瘍のリスクに影響を与えます。
  • 多発性骨髄腫/その他の形質細胞性腫瘍を発見し診断するために、血液、骨髄、尿を調べる検査が行われます。
  • 諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。

形質細胞性腫瘍は体内で過度に多くの形質細胞がつくられる病気です。

形質細胞は骨髄中でつくられる白血球の一種であるBリンパ球(B細胞)から生じます。通常、細菌やウィルスが体内に入るといくつかのB細胞が形質細胞に変わります。形質細胞は体内に入った各種細菌やウィルスと闘うために様々な抗体をつくり感染症や病気を防ぎます。

形質細胞性腫瘍は、異常な形質細胞あるいは骨髄腫細胞が身体の骨や軟部組織中に腫瘍を形成する病気です。また形質細胞は身体にとって必要ではなく感染症と闘う上で役立たないM蛋白と呼ばれる抗体蛋白をつくります。これらの抗体蛋白は骨髄内で増加して血液を粘稠化し腎臓を損傷することがあります。

形質細胞性腫瘍は良性(がんではない)と悪性(がん)があります。

意義不明単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)はがんではありませんが、がんになることがあります。以下の種類の形質細胞性腫瘍はがんです。
  • ワルデンシュトレーム型マクログロブリン血症。(詳しい情報については、小児非ホジキンリンパ腫の治療に関する項目を参照してください。)
  • 形質細胞腫。
  • 多発性骨髄腫。

形質細胞性腫瘍にはいくつかの種類があります。

形質細胞性腫瘍には以下のようなものがあります:
意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)
このタイプの形質細胞性腫瘍では、異常な形質細胞は骨髄の10%未満で、がん化していません。異常な形質細胞はM蛋白を産生します。ほとんどの患者さんでM蛋白量は同じ状態を維持し、症状や健康障害はみられません。数名の患者さんでは、MGUSはあとにアミロイドーシスなどより重篤な状態になることがあります。 多発性骨髄腫、リンパ腫あるいは慢性リンパ性白血病などのがんになることもあります。
形質細胞腫
このタイプの形質細胞性腫瘍では異常な形質細胞(骨髄腫細胞)が1カ所にあり、形質細胞腫と呼ばれる1つの腫瘍を形成します。時々、形質細胞腫は治療可能です。形質細胞腫には2種類あります。
  • 骨の孤立性形質細胞腫では、1つの形質細胞性腫瘍が骨中に認められ、形質細胞は骨髄の10%未満で、他にがんの徴候はみられません。骨の形質細胞腫はしばしば多発性骨髄腫になります。
  • 髄外性形質細胞腫では、骨あるいは骨髄ではなく軟部組織で認められます。髄外性形質細胞腫は、一般に咽頭、扁桃腺、副鼻腔の組織に形成します。

腫瘍の発生部位により症状は異なります。
  • 骨では、形質細胞腫は疼痛または骨折を誘発することがあります。
  • 軟部組織では、腫瘍は周辺領域を圧迫し、疼痛や他の障害を誘発することがあります。例えば、咽喉形質細胞腫では嚥下困難がみられます。
多発性骨髄腫
多発性骨髄腫では、異常な形質細胞(骨髄腫細胞)が骨髄内で増加して身体の多くの骨中に腫瘍を形成します。これらの腫瘍は骨髄が健常な血液細胞を十分につくることを妨げます。通常、骨髄内では3種類の成熟した血液細胞となる幹細胞(未成熟細胞)がつくられます。
  • 赤血球は身体のあらゆる組織に酸素や他の物質を運びます。
  • 白血球は感染や病気と闘います。
  • 血小板は出血を防ぐ上で役立つ血栓を形成します。
骨髄腫細胞数が増加すると、つくられる赤血球、白血球、血小板数が減少します。また骨髄腫細胞は骨を損傷、脆弱化します。

時に多発性骨髄腫では全く症状を示さないことがあり、他の状況のために血液検査か尿検査が行われた時に見つかります。多発性骨髄腫や他の状況において以下の症状がみられることがあります。以下の障害がひとつでもみられた際には医師の診察を受けてください:
  • 骨痛、特に背骨または肋骨
  • 易骨折性の骨
  • 原因不明の発熱や頻繁な感染症
  • 内出血や出血が生じ易い
  • 呼吸障害
  • 四肢の脱力感
  • 強い疲労感
腫瘍は骨を損傷し、高カルシウム血症(血液中のカルシウム過多)を誘発することがあります。高カルシウム血症は腎臓、神経、心臓、筋肉および消化器官を含む身体中の多くの器官に影響し、重大な健康障害を誘発することがあります。

高カルシウム血症では以下の症状がみられることがあります:
  • 食欲低下
  • 悪心・嘔吐
  • 口渇感
  • 頻尿
  • 便秘
  • 強い疲労感
  • 筋力低下
  • 情動不安
  • 精神的錯乱や思考障害

多発性骨髄腫と他の形質細胞腫瘍はアミロイドーシスと呼ばれる状態の原因となる可能性があります。

稀に、多発性骨髄腫により臓器不全の誘発されることがあり、これはアミロイドーシスと呼ばれる状態においてみられることがあります。抗体蛋白が増加して結合し腎臓や心臓などの臓器に集積すると臓器は硬化し機能不全となります。

年齢は形質細胞性腫瘍のリスクに影響を与えます。

病気を発症する危険を高めるものをリスク因子と呼びます。リスク因子があるからといって、がんになるとは限りません。また、リスク因子がないからといって、将来がんにならないわけではありません。リスクを持つ可能性がある人は医師に相談してください。
形質細胞性腫瘍は中年以降の患者さんに最も多く認められます。
多発性骨髄腫と形質細胞腫については、他に以下のようなリスク因子があります:
  • 黒人である。
  • 男性である。
  • MGUSあるいは形質細胞腫の病歴がある。
  • 放射線あるいは特定の化学薬品の被曝歴がある。

多発性骨髄腫/その他の形質細胞性腫瘍を発見し診断するために、血液、骨髄、尿を調べる検査が行われます。

以下の試験や手法が用いられます。
身体所見および既往歴:
全身を調べて、しこりや何か異常にみえるものなど疾患徴候を含めた一般的健康状態をチェックします。また患者さんのこれまでの生活習慣や過去の疾患および治療の病歴についても調べます。
血中あるいは尿中免疫グロブリン検査:
ある種の抗体(免疫グロブリン)の量を測定するために血液サンプルを調べる方法です。多発性骨髄腫に対しては、骨髄腫細胞によりつくられるβ-2-ミクログロブリン、M蛋白、遊離軽鎖と他の蛋白を測定します。これらの物質の量が正常値より高い場合、疾患の徴候であることがあります。
骨髄吸引・生検:
寛骨または胸骨に筒状針を挿入して骨の小片、骨髄および血液を採取します。病理医が骨髄、血液および骨を顕微鏡下で観察し、異常な細胞があるかどうかを調べます。

骨髄吸引・生検中に切除した組織サンプルで以下の検査が行われることがあります。
  • 細胞遺伝学的分析:骨髄サンプル中の細胞を顕微鏡下で観察し、染色体中の特定の変化を調べる検査です。染色体中の特定の変化を調べるために蛍光in siteハイブリダイゼーション(FIS)のようなほかの検査も行うことがあります。
骨格検査:
骨格検査では、身体の全ての骨をX線撮影します。X線は骨が損傷している領域を発見するために用いられます。X線とは体内を通過して、体内領域の写真をフィルム上に撮影できるエネルギービームの一種です。
全血球数(CBC)算定検査:
血液サンプルを採取し、下記の項目を調べる手法です:
  • 赤血球および血小板数
  • 白血球の数とタイプ
  • 赤血球中のヘモグロビン(酸素を運ぶ蛋白質)量
  • 血液サンプル中の赤血球の構成比率
血液化学的検査:
身体中の器官、組織によって血液中に放出されるカルシウム、アルブミンなどある物質の量を測定するために、血液サンプルを調べる方法です。ある物質の量が異常(正常値よりも高値か低値)である場合、それをつくる器官、組織における疾患の徴候であることがあります。
24時間蓄尿検査:
ある物質の量を測定するために尿を24時間採取する検査です。ある物質の量が異常(正常値よりも高値か低値)である場合、それをつくる器官、組織における疾患の徴候であることがあります。蛋白量が正常値よりも高い場合、多発性骨髄腫の徴候であることがあります。
MRI(磁気共鳴イメージング):
磁場、電波、コンピュータを用いて骨髄など体内領域の詳細な像を連続的に撮影します。この方法は核磁気共鳴イメージング(NMRI)とも呼ばれています。MRIは、骨が破損されている領域を見つけるのに使用する場合があります。

諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。

予後(治癒の可能性)は以下の条件によって異なります:
  • 形質細胞性腫瘍のタイプ
  • 疾患の病期
  • ある種の免疫グロブリン(抗体)が存在するかどうか
  • ある種の遺伝子変化が存在するかどうか
  • 腎不全あるいは感染症のような疾患に関連した症状あるいは健康障害がみられるかどうか
  • がんが初回治療に反応したか、または再発(再燃)かどうか
治療法は以下の条件によって異なります:
  • 形質細胞性腫瘍のタイプ
  • 患者さんの年齢と全身状態
  • 腎不全または感染症のような疾患に関連した症状あるいは健康障害がみられるかどうか
  • がんが初回治療に反応したか、または再発(再燃)かどうか

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病期

このセクションの要点
  • 意識不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)、マクログロブリン血症、形質細胞腫には、標準的な病期はありません。
  • 多発性骨髄腫と診断されたあと、身体中のがんの量を調べるために検査が行われます。
  • 多発性骨髄腫の病期は血液中のβ-2-ミクログロブリンやアルブミンの価によります。
  • 多発性骨髄腫に対して以下の病期が用いられます。
    • I期多発性骨髄腫
    • II期多発性骨髄腫
    • III期多発性骨髄腫

意識不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)、マクログロブリン血症、形質細胞腫には、標準的な病期はありません。

多発性骨髄腫と診断されたあと、身体中のがんの量を調べるために検査が行われます。

身体中のがんの量を調べるために行われる検査を「病期診断」といいます。治療計画を立てるために病期を把握することは重要です。病期診断に用いられる検査や手法には次のようなものがあります:
骨格検査:
骨格検査では、身体の全ての骨をX線撮影します。X線は骨が損傷している領域を発見するために用いられます。X線とは体内を通過して、体内領域の写真をフィルム上に撮影できるエネルギービームの一種です。
MRI(磁気共鳴イメージング):
磁場、電波、コンピュータを用いて骨髄など体内領域の詳細な像を連続的に撮影します。この方法は核磁気共鳴イメージング(NMRI)とも呼ばれています。
骨密度測定:
特定のタイプのX線を用いて骨密度を測定する手法です。

治療がどの程度作用しているかを調べるためにある種の検査が繰り返し行なわれることがあります。

多発性骨髄腫の病期は血液中のβ-2-ミクログロブリンやアルブミンの価によります。

β-2-ミクログロブンリンとアルブミンは血液中にみられます。β-2-ミクログロブリンは形質細胞にある蛋白です。アルブミンは血漿の大部分を構成していて、液体が血管から漏れるのを防ぎ、また栄養分を組織に届け、ホルモン、ビタミン、薬物や、カルシウムのような他の物質を体中に運びます。多発性骨髄腫患者さんの血液中のβ-2-ミクログロブンリンの量が増加するとアルブミンの量が減少します。

多発性骨髄腫に対して以下の病期が用いられます。

I期多発性骨髄腫
I期多発性骨髄腫では血液の価が以下のようになります:
  • β-2-ミクログロブンリンの値が3.5g/mL以下。;そして、
  • アルブミンの値が3.5g/dLから5.4g/dL。
II期多発性骨髄腫
II期多発性骨髄腫では血液の価が以下のようになります:
  • β-2-ミクログロブンリンの値が3.5g/mL以下、アルブミンの値が3.5g/dL以下;または、
  • β-2-ミクログロブンリンの値が3.5g/mL~5.5g/mL。
III期多発性骨髄腫
III期多発性骨髄腫では血液中のβ-2-ミクログロブンリンの値が5.5g/mLより高い。

難治性形質細胞性腫瘍

治療を行っても形質細胞が増え続けたときは、形質細胞性腫瘍は難治性と呼ばれます。

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治療法の概要


治療にも関わらず形質細胞数が増加し続ける場合、形質細胞性腫瘍は難治性です。
このセクションの要点
  • 形質細胞性腫瘍患者さんに対して様々なタイプの治療法があります。
  • 標準的治療法として以下の8種類が用いられます:
    • 化学療法
    • その他の薬物療法
    • 標的療法
    • 幹細胞移植と併用した大量化学療法および放射線療法
    • 生物学的療法
    • 放射線療法
    • 手術療法
    • 待機療法
  • 新しい治療法は現在、臨床試験で検証中です。
    • 新しい併用療法
  • 疾患およびその治療が原因の問題を軽減するために支持療法が行われます。
  • 臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。
  • がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。
  • フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

形質細胞性腫瘍患者さんに対して様々なタイプの治療法があります。

形質細胞性腫瘍患者さんに対して各種治療法が適用されます。標準的治療法(現在用いられている治療法)もあれば、臨床試験において検証されているものもあります。治療法についての臨床試験は、現在行われている治療法の改善やがん患者さんの新しい治療法に対する情報を得るために行われるものです。現時点で標準的とされている治療法よりも新しい治療法が良いと示された場合、今度は新しい治療法が標準的治療法になる可能性があります。臨床試験に参加してみてはどうかと考えてみるのもよいでしょう。いくつかの臨床試験は治療を始めていない患者さんにのみ開かれています。

標準的治療法として以下の8種類が用いられます:

化学療法
化学療法は、薬剤を用いてがん細胞を殺すかまたは細胞分裂を停止させることでがん細胞の増殖を停止させるがん治療のことです。口から服用したり、筋肉や静脈内に注入する化学療法では、薬剤は血流を通って全身のがん細胞に影響します(全身化学療法)。脳脊髄液、臓器、腹部などの体腔に薬剤を直接注入する化学療法では、薬剤は主にこれらの領域中にあるがん細胞に影響します(局所化学療法)。化学療法は治療されるがんの種類や病期によって異なります。
他の薬物療法
副腎皮質ステロイド療法
副腎皮質ステロイドは多発性骨髄腫に抗腫瘍効果を示すステロイドです。

サリドマイドおよびレナリドマイド
サリドマイドおよびレナリドマイドは固形腫瘍内における新しい血管の成長を抑える血管新生抑制剤と呼ばれる薬剤です。

詳しい情報については多発性骨髄腫およびその他の形質細胞性腫瘍に対する承認薬を参照してください。
標的療法
標的療法は、正常な細胞を傷つけずに特定のがん細胞を識別したり攻撃したりする薬剤や他の物質を用いる治療法です。プロテアソーム阻害剤療法はがん細胞中のプロテアソーム活性をブロックし、腫瘍の増殖を抑制します。ボルテゾミブは多発性骨髄腫およびその他の形質細胞性腫瘍の治療に用いられるプロテアソーム阻害剤です。

詳しい情報については多発性骨髄腫およびその他の形質細胞性腫瘍に対する承認薬を参照してください。
幹細胞移植と併用した大量化学療法および放射線療法
この治療法は大量化学療法や放射線療法を行った後、がん治療によって破壊された造血細胞を置き換えるための方法です。幹細胞(未成熟な血液細胞)を患者さん(自己移植)またはドナー(同種移植)の骨髄や血液から採取し、冷凍保存します。化学療法や放射線療法終了後に保存しておいた幹細胞を解凍し、注入により患者さんに再び戻します。再注入されたこれらの幹細胞は身体の血液細胞に成長し(また回復)させます。
生物学的療法
生物学的療法は、患者さん自身のがんと闘う免疫機構を用いた治療法です。自らの体内でつくられる物質や実験室で作成された物質を用い、患者さん自身のがんに対するもともとの抵抗力を高め、方向づけしたり、回復させたりします。このようながんの治療法は生物学的療法または免疫療法とも呼ばれます。

インターフェロンは、生物学的治療の一種です。 がん細胞の分裂に影響を及ぼして、腫瘍の成長を遅らせることができます。

詳しい情報については多発性骨髄腫およびその他の形質細胞性腫瘍に対する承認薬を参照してください。
放射線療法
放射線療法は、高エネルギーX線やその他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺すかあるいは成長を抑えるがん治療のことです。放射線療法には2つのタイプがあります。体外照射は体外の機械を用いてがんに放射線を照射する治療法です。体内照射は放射性物質を密封した針、シーズ、ワイヤ、カテーテルをがんの内部またはその近くに直接留置して、がんに放射線を照射する治療法です。外照射は脳や脊髄まで拡がっているか、拡がる可能性のある小児AMLの治療に用いられます。放射線療法の方法はがんの種類や病期によって異なります。
手術療法
通常、放射線療法後に腫瘍を摘出するための手術が行われることがあります。がんの再発のリスクを下げるために手術後に行われる治療法はアジュバント療法と呼ばれます。
待機療法
待機療法は症状が出現するまで、または変化がみられるまで治療を行わずに患者さんの状態を慎重に観察する方法です

新しい治療法は現在、臨床試験で検証中です。

このまとめのセクションでは、現在臨床試験を行っている治療法について個々に触れますが、最新の臨床試験をすべて網羅できていない可能性があります。アメリカで実施されている臨床試験についての情報はNCI Web siteにアクセスすれば、入手できます。
新しい併用療法
臨床試験において生物学的療法、化学療法、ステロイド療法、薬剤の様々な併用療法について検討されています。サリドマイドあるいはレナリドマイドを使った新しい治療レジメも検討されています。

疾患およびその治療が原因の問題を軽減するために支持療法が行われます。

この治療は、疾患やその治療による副作用および障害をコントロールし、生活の質を改善するものです。支持療法は多発性骨髄腫およびその他の形質細胞性腫瘍が原因の障害を治療するために行われます。

支持療法に以下のいずれかになると思われます:

  • 血漿交換療法:余分な抗体蛋白で血液の粘度が高くなり循環障害を生じた場合、血液から余分なプラズマ、抗体蛋白質を除去するために血漿交換療法が行われます。患者さんから血液をいったん取り出して、血液細胞から血漿(血液の液体部分)を分離する装置を通してまた戻す方法です。患者さんの血漿には不必要な抗体が含まれており、これは患者さんには戻しません。正常な血液細胞を供血血漿や置換血漿とともに血流に戻します。血漿交換療法は新たな抗体の形成を抑えることはできません。
  • 幹細胞移植を併用した高用量化学療法:アミロイドシースが発症した場合、治療法は高用量化学療法の後に患者さん自身の幹細胞を用いた幹細胞移植の臨床試験になる可能性があります。
  • 放射線療法:放射線療法は、脊柱の骨病変のために行われます。
  • 化学療法:化学療法は、脊柱の骨粗鬆症および圧迫骨折からの背中の痛みを軽減するために行われます。
  • ビスホスホネート療法:ビスホスホネート療法は骨喪失を遅らせ、骨の痛みを和らげるために行われます。ビスホスホネートおよびそれらの使用による障害についての詳しい情報は、PDQの以下の項を参照してください。

臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。

何人かの患者さんにおいて臨床試験に参加することは最良の治療選択であるかもしれません。臨床試験はがんの研究過程の一つです。臨床試験は新たな治療法が標準的な治療法より安全で有効であるかを見つけ出すために行います。

がんに対する今日の標準的な治療法の多くは早期の臨床試験を基本にしています。臨床試験に参加する患者さんは標準的な治療を受けるか、初めて新しい治療を受けることになるかもしれません。

また、臨床試験に参加する患者さんは未来のがん治療法の改良を助けます。新しい治療法の臨床試験が有効性を示さなくても、しばしば重要な疑問の答えとなり、研究が前進するのを助けます。

がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。

いくつかの臨床試験はまだ治療を受けていない患者さんを含んでいます。他の試験はがんが回復していない患者さんに対する治療を評価します。がんが再発する(再起する)のを止めるか、がん治療の副作用を軽減する新しい方法を評価する臨床試験もあります。

臨床試験は国の多くの地域で行われています。治療法の項での現在の治療法の臨床試験へのリンクを参照してください。それらはNCIの臨床試験リストから取り出されます。

フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

がんを診断するために行われた、あるいはがんの病期をみつけるために行われた検査が繰り返されるかもしれません。いくつかの検査は治療がどれぐらいよく効いているかをみるために行われるでしょう。治療を続ける、変更するか止めるかどうかの判断がこれらの検査結果を基に行われるかもしれません。これらはときどき再病期診断と呼ばれます。
いくつかの検査は治療が終わった後に時々継続して行われるでしょう。これらの検査結果は状態が変化したかどうか、またはがんが再発(再起)したかを示すことができます。これらの検査は時々、フォローアップ検査か定期検査と呼ばれます。

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病期別治療法

現在行われている臨床試験の検索結果へのリンクは各治療の項目に記載されています。いくつかのがんの種類や病期については、試験がリストされていないことがあります。リストされていなくても、実施されていると思われる臨床試験については主治医に相談してください。

意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症

意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症(MGUS)に対する治療法は通常待機療法です。血液中のM蛋白値を調べるために定期的な血液検査およびがんの徴候や症状を調べる身体検査が行われます。

現在、米国で意義不明の単クローン性ガンマグロブリン血症の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

骨の孤立性形質細胞腫

骨の孤立性形質細胞腫に対する標準的治療法は通常骨病変への放射線療法です。

現在、米国で骨の孤立性形質細胞腫の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

髄外性形質細胞腫

髄外性形質細胞腫に対する標準的治療法には以下のようなものがあります:
  • 腫瘍および隣接リンパ節に対する放射線療法
  • 通常放射線療法後の手術療法
  • 初回治療後の待機療法、その後に腫瘍の増殖または症状がみられた場合は放射線療法、手術療法、化学療法
現在、米国で髄外性形質細胞腫の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

多発性骨髄腫

無症状の患者さんでは治療の必要はないことがあります。症状が出現した場合、多発性骨髄腫の全病期の治療法には以下のようなものがあります。

導入療法:これは第I期の治療です。その目的は病気を減らすことにあり、以下の1つ以上を含むかもしれません:
  • 副腎皮質ステロイド療法
  • サリドマイドあるいはレナリドマイド療法
  • プロテアソーム阻害剤(ボルテゾミブ)を用いた標的療法
  • 化学療法
  • 様々な併用療法の臨床試験。

地固め療法:これは第II期の治療です。残っているがん細胞を殺すための地固め期の治療です。大量化学療法後にいずれかが行われます。
  • 患者自身の血液あるいは骨髄からの幹細胞を使った自己幹細胞移植を1回または2回;または
  • ドナーから提供された血液あるいは骨髄からの幹細胞を使った同種幹細胞移植を1回
維持療法:初期治療後、長期間にわたり病気の寛解を保つためにしばしば維持療法を行います。以下のような、いくつかのタイプの治療法が研究されています。
  • 化学療法
  • インターフェロンによる生物学的療法
  • 副腎皮質ステロイド療法
  • サリドマイド療法
現在、米国で多発性骨髄腫の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

難治性多発性骨髄腫

難治性多発性骨髄腫の治療法には以下のようなものがあります:
  • 疾患が安定している患者さんに対しては待機療法
  • 治療中に腫瘍が増殖を続けている患者さんに、すでに行なわれた治療法とは異なる治療法
    (多発性骨髄腫の治療法を参照)
現在、米国で難治性形質細胞性腫瘍の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。
(2012年09月更新)

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