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精巣腫瘍

概説

このセクションの要点
  • 精巣がんは片側または両側の精巣組織内に悪性(がん)細胞が認められる病気です。
  • 既往歴により精巣がんの発生リスクに影響が出ます。
  • 精巣がんを疑う症状としては陰嚢の腫大や不快感があります。
  • 精巣がんを発見し診断するために、精巣と血液を調べるための検査が用いられます。
  • 諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。
  • 精巣がんに対する治療は不妊症の原因になることがあります。

精巣がんは片側もしくは両側の精巣組織内に悪性(がん)細胞が認められる病気です。

精巣は、陰嚢(陰茎の真下にあるゆったりした皮膚の袋)の内部にある2つの卵形の腺です。精巣は精索により陰嚢内に保持されています。精索にはまた輸精管や精巣の血管、神経も含まれます。

精巣は男性生殖腺であり、テストステロンと精子を生成します。精巣内にある胚細胞から生成された未熟な精子は精細管(細い管)の網状組織とさらに太い管を通って精巣上体(精巣の隣にある長いコイル状の管)内まで移動し、そこで成熟した精子として保存されます。

精巣がんはほとんどすべて胚細胞から生じます。精巣性胚細胞腫瘍における主要な2つのタイプはセミノーマと非セミノーマです。この2つのタイプの腫瘍は異なる成長、拡大を示し、異なる治療法が行われます。非セミノーマはセミノーマよりも迅速に成長、拡大する傾向にあります。セミノーマは放射線療法に比較的感受性が高いです。セミノーマと非セミノーマ細胞の両方を含む精巣腫瘍は非セミノーマとして治療されます。

精巣がんは年齢20~35歳の男性に最もよくみられるがんです。

既往歴により精巣がんの発生リスクに影響が出ます。

病気を発症する危険を高めるものをリスク因子と呼びます。リスク因子があるからといって、がんになるとは限りません。また、リスク因子がないからといって、将来がんにならないわけではありません。リスクがあると思う人は医師に相談してください。精巣がんのリスク因子には次のようなものがあります:
  • 停留精巣の既往がある。
  • 精巣の発育異常の既往がある。
  • 精巣がんの既往がある。
  • 家族に精巣がんの既往がある(特に、父親、兄弟)。
  • 白人である。

精巣がんを疑う症状としては陰嚢の腫大や不快感があります。

精巣がんによって以下の症状や他の症状はみられることがあります。他の状況によっても同じ症状が見られます。以下の症状がひとつでもみられた際には医師の診察を勧めます:
  • どちらか片側の精巣に無痛性のしこりや腫大がみられる。
  • 精巣に違和感がある。
  • 下腹部または鼠径部に鈍痛がある。
  • 陰嚢内に突然液体が貯留する。
  • 精巣または陰嚢における疼痛または不快感。

精巣がんを発見し診断するために、精巣と血液を調べるための検査が用いられます。

以下の検査や手法が用いられます:
理学的所見および既往歴:
全身を調べて、しこりや何か異常にみえるものなど疾患徴候を含めた一般的健康状態をチェックします。精巣を調べて、しこりや腫大、疼痛がないかチェックします。また患者さんのこれまでの生活習慣や過去の疾患および治療の病歴についても調べます。
超音波検査:
高エネルギー音波(超音波)を体内組織または器官に反射させ、そのエコーをつくる方法です。エコーからソノグラムと呼ばれる体内組織の像が撮影されます。
血清腫瘍マーカー検査:
身体中の器官、組織、がん細胞によって放出されるある物質の量を測定するために、血液サンプルを調べる手法です。ある物質の血液中の値が上昇している場合、特定のタイプの腫瘍と関連しています。これらの物質は腫瘍マーカーと呼ばれています。精巣がんを発見するために用いられる腫瘍マーカーには以下の3種類があります。
  • α-フェトプロテイン(AFP)。
  • β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)。
  • 乳酸脱水素酵素(LDH)。
腫瘍マーカー値は根治的高位精巣摘除術や生検の前に測定され、精巣がんの診断に役立ちます。
根治的高位精巣摘除術と生検:
鼠径部を切開して精巣をすべて摘出する手法です。その後、精巣の組織サンプルを顕微鏡下で調べ、がん細胞をチェックします(外科医は生検組織サンプルを摘出するために、陰嚢を切開して精巣を摘出する方法は行いません。がんが存在する場合、この方法はがんを陰嚢やリンパ節へ拡大させる可能性があります。この種の手術には経験のある外科医を選ぶことが重要です)。がんが認められた場合、細胞の種類(セミノーマまたは非セミノーマ)を明らかにすることは治療計画を立てる上で有用です。

諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。

予後(治癒の可能性)や治療法の選択は以下の条件によって異なります:
  • がんの病期(精巣内またはその周囲にとどまっているか、あるいは体内の他の部位まで拡がっているか。さらにAFP、β-hCG、LDHの血中値)。
  • がんの種類。
  • 腫瘍の大きさ。
  • 後腹膜リンパ節数とその大きさ。
多くの場合、精巣がんは治癒可能です。

精巣がんに対する治療は不妊症の原因になることがあります。

精巣がんに対するある種の治療は、永久的となる可能性のある不妊症を誘発することがあります。挙児を希望する患者さんは治療を開始する前に精子バンクを検討すべきです。精子銀行は後の使用に備えて精子を冷凍保存するプロセスです。

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病期

このセクションの要点
  • 精巣がんと診断されたあと、がん細胞が精巣内にとどまっているか、それとも体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で諸検査を行います。
  • がんが体内に拡がる方法は3通りあります。
  • 精巣がんの病期は以下の通りです。
    • 0期(上皮内がん)
    • I期
    • II期
    • III期

精巣がんと診断されたあと、がん細胞が精巣内にとどまっているか、それとも体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で諸検査を行います。

がんが精巣内にとどまっているか、それとも体の他の部分まで拡がっているかを調べるために行われる検査を「病期診断」といいます。病期診断のために行われた検査から得られた情報を基に疾患の病期が確定されます。治療計画を立てるために病期を把握することは重要です。病期診断に用いられる検査には次のようなものがあります:
胸部X線検査:
胸部の臓器と骨のX線照射を行います。X線とは体内を通過してフィルム上まで達し、体内を撮影することができるエネルギービームの一種です。
CTスキャン(CATスキャン):
いろいろな角度から体内の詳細な像を連続的に撮影します。像はX線撮影装置と連動したコンピュータにより作られます。造影剤を静脈内に注入するか飲み込むと、臓器や組織がより明瞭に示されます。この方法はまたコンピュータトモグラフィー、コンピュータ断層撮影法、コンピュータ体軸断層撮影法とも呼ばれます。
リンパ管造影法:
リンパ系のX線撮影を用いる手法です。造影剤を足のリンパ管に注入します。造影剤はリンパ節、リンパ管を通って上方に移動します。何らかの閉塞がある部位をみつけるためにX線撮影を行います。この検査はがんがリンパ節まで拡大しているかどうかを知るために有用です。
腹部リンパ節郭清:
腹腔内のリンパ節を摘出して、組織のサンプルをがんの兆候がないか顕微鏡下で調べる外科的手法です。この方法リンパ節郭清とも呼ばれます。非セミノーマ患者さんでは、リンパ節摘出は疾患拡大を防ぐために有用な場合があります。セミノーマ患者さんでは、リンパ節内のがん細胞に対して放射線療法を行うことがあります。
根治的高位精巣摘除術と生検:
鼠径部を切開して精巣をすべて摘出する手法です。その後、精巣の組織サンプルを顕微鏡下で調べ、がん細胞をチェックします(外科医は生検組織サンプルを摘出するために、陰嚢を切開して精巣を摘出する方法は行いません。がんが存在する場合、この方法はがんを陰嚢やリンパ節へ拡大させる可能性があります)。
血清腫瘍マーカー検査:
身体中の器官、組織、腫瘍細胞によって放出されるある物質の量を測定するために、血液サンプルを調べる手法です。ある物質の血液中の値が上昇している場合、特定のタイプのがんと関連しています。これらの物質は腫瘍マーカーと呼ばれています。精巣がんを発見するために用いられる腫瘍マーカーには以下の3種類があります:
  • α-フェトプロテイン(AFP)。
  • β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)。
  • 乳酸脱水素酵素(LDH)。
腫瘍マーカー値は、がんの病期を明らかにするために根治的高位精巣摘除術と生検後にもまた再度測定されます。これは、がんがすべて摘出されたかどうか、さらに治療が必要かどうかを示すために有用です。また腫瘍マーカー値はがんが再発したかどうか調べる手段としてフォローアップ中にも測定されます。

がんが体内に拡がる方法は3通りあります。

がんが体内に拡がる方法は以下のように3通りあります:
  • 組織を透過して、がんが周囲の正常組織に侵入します。
  • リンパ系を透過して、がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を経て体内の他の部分に移動します。
  • 血液を透過して、がんが静脈と毛細血管に侵入し、血液を経て体内の他の部分に移動します。
がん細胞が原発部位(初めの腫瘍)から離脱してリンパや血液を経て体内の他の部分に移動すると、別の腫瘍(二次性腫瘍)を形成するかもしれません。この過程を転移と呼んでいます。二次性腫瘍(転移性腫瘍)は原発部位の腫瘍と同じタイプのがんです。例えば、もし乳がんが骨に転移するのなら、骨のがん細胞は実際に乳がんのがん細胞です。その病気は骨のがんではなく、転移性乳がんです。

精巣がんの病期は以下の通りです:

0期(上皮内がん)
0期では、異常な細胞は精子細胞が発育を開始する場所である精細管内に認められます。これらの異常な細胞はがんになり、近くの正常な組織に拡がる可能性があります。腫瘍マーカーはすべて正常値です。0期はまた上皮内がんとも呼ばれます。
I期
Ⅰ期では、がんが形成されます。I期はIA期、IB期、IS期に分けられますが、それは根治的高位精巣摘除術が行われた後に決定されます。
IA期:
がんは精巣と精巣上体内にみられ、また精巣を覆う薄膜の内層まで拡がっている場合もあります。腫瘍マーカーはすべて正常値です。
IB期:
がんは
  • 精巣と精巣上体内にみられ、また精巣内の血管やリンパ管まで拡がっている;または
  • 精巣と精巣上体内にみられ、また精巣を覆う薄膜の外層まで拡がっている;または
  • 精索または陰嚢内にみられ、また精巣内の血管やリンパ管にもみられる場合がある。
腫瘍マーカーはすべて正常値です。
IS期:
がんは精巣、精索または陰嚢内のいずれかに認められます;
  • 腫瘍マーカーがすべて若干正常値より高いか;または
  • 1つ以上の腫瘍マーカー値が正常値よりも中等度以上上昇しているか、高値を示しています。
II期
II期は、IIA期、IIB期、IIC期に分けられますが、それは根治的高位精巣摘除術が行われた後に決定されます。
IIA期:
がんは
  • 精巣、精索または陰嚢内のいずれかに認められ;
  • 5カ所未満の腹部リンパ節に拡がっているが、2cm以上大きなものはない。
腫瘍マーカーはすべて正常値か、または正常値よりも若干上昇しています。
IIB期:
がんは精巣、精索または陰嚢内のいずれかに認められ;さらに次のうちのいずれかが認められます。
  • 5カ所未満の腹部リンパ節に拡がっており;1カ所以上のリンパ節が2cmより大きいが、5cm以上大きいものはない;
  • 5カ所以上のリンパ節まで拡がっているが;リンパ節は5cm以上大きいものはない。
腫瘍マーカーはすべて正常値か、または正常値よりも若干上昇しています。
IIC期:
がんは
  • 精巣、精索または陰嚢内のいずれかに認められ;
  • 腹部リンパ節まで拡がっており、5cm以上の大きさになっています。
腫瘍マーカーはすべて正常値か、または正常値よりも若干上昇しています。
III期
III期は、IIIA期、IIIB期、IIIC期に分けられますが、それは根治的高位精巣摘除術が行われた後に決定されます。
IIIA期:
がんは
  • 精巣、精索または陰嚢内のいずれかに認められ;
  • 1カ所以上の腹部リンパ節まで拡がっている場合があり;
  • 遠隔リンパ節または肺まで拡がっています。
腫瘍マーカー値が正常値から正常値より若干上昇している場合があります。
IIIB期:
がんは
  • 精巣、精索または陰嚢内のいずれかに認められ;
  • 1カ所以上の腹部のリンパ節、遠隔リンパ節、あるいは肺まで拡がっている場合があります。
1つ以上の腫瘍マーカー値が正常値より中程度上昇しています。
IIIC期:
がんは
  • 精巣、精索または陰嚢内のいずれかに認められ;
  • 1カ所以上の腹部のリンパ節、遠隔リンパ節、あるいは肺まで拡がっている場合があります。
1つ以上の腫瘍マーカー値は高値を示しています。

また

がんは
  • 精巣、精索または陰嚢内のいずれかに認められ;
  • 1カ所以上の腹部のリンパ節に拡がっている場合があります;
  • 遠隔リンパ節または肺には拡がっていませんが、体の他の部分に拡がっています。
腫瘍マーカー値は高値を示すことがあります。

再発性精巣がん

再発性精巣がんは治療後に再び生じた(再燃)がんのことをいいます。がんは最初のがんから何年か後に対側精巣または体の他の部位に再発することがあります。

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治療法の概要

このセクションの要点
  • 精巣がん患者さんに対して様々なタイプの治療法があります。
  • 治療に対する奏効性がどの程度良好と予測されるかに応じて、精巣腫瘍は3群に分けられます。
    • 予後良好群
    • 中等度予後群
    • 予後不良群
  • 標準的治療法として以下の5種類が用いられます:
    • 手術療法
    • 放射線療法
    • 化学療法
    • 待機療法
    • 骨髄移植を併用した大量化学療法
  • 新しいタイプの治療法は現在、臨床試験で検証中です。
  • 臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。
  • がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。
  • フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

精巣がん患者さんに対して様々なタイプの治療法があります。

精巣がん患者さんに対して各種治療法が適用されます。標準的治療法(現在用いられている治療法)もあれば、臨床試験において検証されているものもあります。治療法についての臨床試験は、現在行われている治療法の改善やがん患者さんの新しい治療法に対する情報を得るために行われるものです。現時点で標準的とされている治療法よりも新しい治療法が良いと示された場合、今度は新しい治療法が標準的治療法になる可能性があります。臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。いくつかの臨床試験は治療を始めていない患者さんにのみ開かれています。

治療に対する奏効性がどの程度良好と予測されるかに応じて、精巣腫瘍は3群に分けられます。

予後良好群
非セミノーマに対しては、以下の条件がすべて満たされる必要があります:
  • 腫瘍は、精巣または後腹膜(腹壁の外側または背部領域)のみにみられ;
  • 腫瘍は肺以外の器官にまで拡がっておらず;
  • すべての腫瘍マーカー値は正常値よりも若干上昇している。
セミノーマに対しては、以下の条件がすべて満たされる必要があります:
  • 腫瘍は肺以外の器官にまで拡がっておらず;
  • α-フェトプロテイン(AFP)値は正常であるが、β-ヒト絨毛性ゴナドトロピン(β-hCG)と乳酸脱水素酵素(LDH)はあらゆる値を示す場合がある。
中等度予後群
非セミノーマに対しては、以下の条件がすべて満たされる必要があります:
  • 腫瘍は片側精巣のみ、または後腹膜(腹壁の外側または背部領域)のみにみられ;
  • 腫瘍は肺以外の器官にまで拡がっておらず;
  • 腫瘍マーカーのいずれか1つの値が正常値よりも若干上昇している。
セミノーマに対しては、以下の条件がすべて満たされる必要があります:
  • 腫瘍は肺以外の器官にまで拡がっておらず;
  • AFP値は正常であるが、β-hCGとLDHはあらゆる値を示す場合がある。
予後不良群
非セミノーマに対しては、以下の条件のうち1つ以上が認められます:
  • 腫瘍は肺の間にある胸の正中部分(縦隔)にみられ;
  • 腫瘍は肺以外の器官にまで拡がっており;
  • 腫瘍マーカーのいずれか1つの値が高値である。
セミノーマ精巣腫瘍では予後不良群に分類されることはありません。

標準的治療法として以下の5種類が用いられます:

手術療法
診断および病期診断の際に、精巣(根治的高位精巣摘除術)といくつかのリンパ節を摘出するための手術が行われる場合があります(本サマリーの概説と病期のセクション参照)。体内の他の部位まで拡がった腫瘍は、手術により一部またはすべて摘出されることがあります。

手術の際に医師が目にみえるがんをすべて摘出した場合でも、数例の患者さんに対してはまだ体内に残っているがん細胞すべてを殺す目的で、手術後に化学療法や放射線療法を行うことがあります。再発のリスクを下げる目的で手術のあとに行う治療法をアジュバント療法といいます。
放射線療法
放射線療法は高エネルギーX線やその他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺すがん治療のことです。放射線療法には2つのタイプがあります。体外照射は体外の機械を用いてがんに放射線を照射する治療法です。体内照射は放射性物質を密封した針、シーズ、ワイヤ、カテーテルをがんの内部またはその近くに直接留置して、がんに放射線を照射する治療法です。放射線療法の方法はがんの種類や病期によって異なります。
化学療法
化学療法は薬剤を用いてがん細胞を殺すかまたは細胞分裂を停止させることでがん細胞の増殖を停止させるがん治療のことです。口から服用したり、筋肉や静脈内に注入する化学療法では、薬剤は血流を通って全身のがん細胞に影響します(全身療法)。脳脊髄液、臓器、腹部などの体腔に薬剤を直接注入する化学療法では、薬剤は主にこれらの領域中にあるがん細胞に影響します(局所化学療法)。化学療法の方法はがんの種類や病期によって異なります。

詳しい情報については精巣がんに対する承認薬を参照してください。
待機療法
待機療法は徴候が現れるまで、あるいは変化がみられるまで、治療を行わずに患者さんの状態を慎重に観察する方法です。この方法は経過観察とも呼ばれます。
幹細胞移植を併用した大量化学療法
幹細胞移植を併用した大量化学療法は、大量の化学療法を行った後、がん治療により破壊された造血細胞を置き換える方法です。幹細胞(未成熟血液細胞)を患者さんまたはドナーの血液または骨髄から取り出して、冷凍保存します。化学療法終了後に、保存された幹細胞を解凍し、注入により患者さんに再び戻します。再注入されたこれらの幹細胞は短時間で成長し、身体の血液細胞を回復させます。

詳しい情報については精巣がんに対する承認薬を参照してください。

新しいタイプの治療法は現在、臨床試験で検証中です。

実施されている臨床試験についての情報はNCI Web siteにアクセスすれば、入手できます。

臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。

何人かの患者さんにおいて臨床試験に参加することは最良の治療選択であるかもしれません。臨床試験はがんの研究過程の一つです。臨床試験は新たな治療法が標準的な治療法より安全で有効であるかを見つけ出すために行います。

がんに対する今日の標準的な治療法の多くは早期の臨床試験を基本にしています。臨床試験に参加する患者さんは標準的な治療を受けるか、初めて新しい治療を受けることになるかもしれません。

また、臨床試験に参加する患者さんは未来のがん治療法の改良を助けます。新しい治療法の臨床試験が有効性を示さなくても、しばしば重要な疑問の答えとなり、研究が前進するのを助けます。

がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。

いくつかの臨床試験はまだ治療を受けていない患者さんを含んでいます。他の試験はがんが回復していない患者さんに対する治療を評価します。がんが再発する(再起する)のを止めるか、がん治療の副作用を軽減する新しい方法を評価する臨床試験もあります。

臨床試験は国の多くの地域で行われています。治療法の項での現在の治療法の臨床試験へのリンクを参照してください。NCIの臨床試験リストから取り出してきます。

フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

がんを診断するために行われた、あるいはがんの病期をみつけるために行われた検査が繰り返されるかもしれません。いくつかの検査は治療がどれぐらいよく効いているかをみるために行われるでしょう。治療を続ける、変更するか止めるかどうかの判断がこれらの検査結果を基に行われるかもしれません。これらはときどき再病期診断と呼ばれます。

いくつかの検査は治療が終わった後に時々継続して行われるでしょう。これらの検査結果は状態が変化したかどうか、またはがんが再発(再起)したかを示すことができます。これらの検査は時々、フォローアップ検査か定期検査と呼ばれます。

精巣がんの既往のある男性患者さんは対側精巣にがんの発症するリスクが増加しています。患者さんは定期的に対側精巣をチェックして、どんな異常な徴候でもすぐに医師に報告することを勧めます。

生涯の臨床検査は非常に重要です。患者さんはおそらく手術後1年目は毎月、2年目は隔月、そのあとはもう少し少ない頻度で検査を受けることになります。

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病期別治療法

現在行われている臨床試験の検索結果へのリンクは各治療の項目に記載されています。いくつかのがんの種類や病期については、試験がリストされていないことがあります。リストされていなくても、実施されていると思われる臨床試験については主治医に相談してください。

I期精巣がん

I期精巣がんの治療法はがんがセミノーマか非セミノーマかにより異なります。

セミノーマの治療法には次のようなものがあります:
  • 精巣を摘出するための手術を行い、長期間にわたってフォローアップを行います。
  • 精巣を摘出するための手術のあとに腹部のリンパ節への放射線療法を行い、長期間にわたってフォローアップを行います。
  • 精巣を摘出するための手術を行い、その後に化学療法を行い、長期間にわたってフォローアップを行います。

非セミノーマの治療法には次のようなものがあります:
  • 精巣を摘出するための手術を行い、長期間にわたってフォローアップを行います。
  • 精巣および腹部リンパ節を摘出するための手術を行い、長期間にわたってフォローアップを行います。
  • 再発のリスクが高い患者さんには手術を行ったあとに化学療法を行い、長期間にわたってフォローアップを行います。
現在、米国でI期悪性精巣胚細胞腫瘍の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

II期精巣がん

II期精巣がんの治療法はがんがセミノーマか非セミノーマかにより異なります。

セミノーマの治療法には次のようなものがあります:
  • 腫瘍が5cm以内の場合:
    • 精巣を摘出するための手術を行ったあとに腹部および骨盤リンパ節への放射線療法を行います。
    • 多剤併用化学療法。
    • 精巣および腹部リンパ節を摘出する手術。
  • 腫瘍が5cm以上の場合:
    • 精巣を摘出するための手術を行ったあとに腹部および骨盤のリンパ節への多剤併用化学療法あるいは放射線療法を行い、その後、長期間にわたってフォローアップを行います。
非セミノーマの治療法には次のようなものがあります:
  • 精巣およびリンパ節を摘出するための手術を行ったあと、長期間にわたってフォローアップを行います。
  • 精巣を摘出するための手術を行ったあとに多剤併用化学療法を行い、その後、長期間にわたってフォローアップを行います。
  • 精巣を摘出するための手術を行ったあとに多剤併用化学療法を行います。その後、がんが残存している場合には2度目の手術を行ったあと、長期間にわたってフォローアップを行います。
  • がんが拡がっており、生命にかかわると思われる場合には、精巣を摘出する手術を行う前に多剤併用化学療法を行います。
現在、米国でⅡ期悪性精巣胚細胞腫瘍の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

III期精巣がん

III期精巣がんの治療法はがんがセミノーマか非セミノーマかにより異なります。

セミノーマの治療法には次のようなものがあります:
  • 精巣を摘出するための手術を行ったあとに多剤併用化学療法を行います。化学療法後に残存する腫瘍がある場合は、以下のうちの1つの治療が行われるかもしれません。
    • 腫瘍が増殖するまで治療を行わない待機療法。
    • 3センチメートルより小さい腫瘍に対しては待機療法、3センチメートル以上の腫瘍は摘出するための手術を行います。
    • 化学療法終了2ヵ月後に行ったPETスキャンで、がんが現れた腫瘍を摘出するための手術を行います。
  • 化学療法の臨床試験。
非セミノーマの治療法には次のようなものがあります:
  • 精巣を摘出するための手術を行ったあとに多剤併用化学療法を行います。
  • 多剤併用化学療法後に精巣および残存する腫瘍をすべて摘出するための手術を行います。摘出した腫瘍組織に増殖しているがん細胞が含まれているか、フォローアップ検査でがんが進行しているのが明らかになった場合には、さらに化学療法が行われることがあります。
  • がんが拡がっており、生命にかかわると思われる場合には、精巣を摘出する手術を行う前に多剤併用化学療法を行います。
  • 化学療法の臨床試験。
現在、米国でⅢ期悪性精巣胚細胞腫瘍の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

再発性精巣がんに対する治療法

再発性精巣がんの治療法には次のようなものがあります:
  • 多剤併用化学療法。
  • 骨髄移植および大量化学療法。
  • 次のいずれかに対してはがんを摘出するための手術:
    • 完全寛解から2年以上経過後の再発がん;または
    • 再発部位が1カ所のみで化学療法に非奏効性の再発がん。
  • 新しい治療に関する臨床試験。
現在、米国で再発性悪性精巣胚細胞腫瘍の患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。
(2011年09月更新)

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