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前立腺がん

概説

このセクションの要点
  • 前立腺がんは前立腺の組織内に悪性(がん)細胞が認められる病気です。
  • 前立腺がんを疑う症状として、尿線が細いおよび排尿の頻発があります。
  • 前立腺がんを発見し、診断するためには、前立腺の検査および血液検査が用いられます。
  • 諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。

前立腺がんは前立腺の組織内に悪性(がん)細胞が認められる病気です。

前立腺は膀胱(尿をためたり排出したりする臓器)のすぐ下、直腸(腸管の下部)の前面にある男性の性腺のひとつです。大きさはおよそクルミの実くらいで、尿道(膀胱の尿を体外に導く管)の一部を囲んでいます。前立腺は精液の一部である液体を作ります。

前立腺がんは主に高齢の男性にみられます。加齢とともに、前立腺は大きくなり尿道や膀胱の出口を塞ぎます。これにより排尿が困難になったり、性機能に支障をきたすことがあります。この状態を前立腺肥大症(BPH)といい、がんでなくても手術をして治さなくてはならないこともあります。前立腺肥大症あるいは前立腺にある他の問題による症状は、前立腺がんの症状と似ています。

前立腺がんを疑う症状として、尿線が細いおよび排尿の頻発があります。

前立腺がんによって、以下の症状や他の症状などがみられることがあります。他の状況によっても同じ症状がみられます。以下の症状がひとつでもみられたら医師の受診を勧めます:
  • 尿線が細いあるいは途絶している。
  • 排尿が頻発(とくに夜間)。
  • 排尿困難。
  • 排尿中の痛みあるいは灼熱感。
  • 血尿あるいは精液中に血液がみられる。
  • 腰背部、臀部あるいは骨盤部のしつこい痛み。
  • 痛みを伴う射精。

前立腺がんを発見し、診断するためには、前立腺の検査および血液検査が用いられます。

以下の試験や手法が用いられます:
直腸指診(DRE):
直腸の検査で、医師あるいは看護師が薄い手袋を着用して指を直腸に挿入し、しこりや異常な箇所がないかを調べます。
前立腺特異抗原(PSA)試験:
血液中のPSA濃度を測定する試験。PSAは前立腺でつくられる物質であり、前立腺がんの男性患者さんの血液中に多く分泌されます。前立腺に感染、炎症、あるいはBPH(がんではないが肥大した前立腺)がみられた場合、その男性のPSA濃度は高いこともあります。
経直腸的超音波検査:
指のサイズくらいのプローブを直腸に挿入し、前立腺を調べます。プローブは体内の組織や臓器に高エネルギーの超音波を流し、エコーをつくります。エコーは体内組織をソノグラムと呼ばれる像に変えます。経直腸的超音波検査は生検の際に用いられます。
生検:
細胞や組織を採取し、病理医が顕微鏡下で調べます。病理医は、がん細胞の有無を確認し、グリーソンスコアの判定を行います。グリーソンスコアは2~10まであり、腫瘍が拡がっている程度により分類します。数字が小さいほど腫瘍の拡がっている程度が低いです。前立腺がんの診断には2種類の生検があります:
経直腸的生検:
直腸を経由して前立腺に針を注入し、前立腺の組織検体を採取します。通常、経直腸的超音波検査を用いて行います。病理医が顕微鏡下でがん細胞があるか調べます。
経会陰的生検:
陰嚢と直腸の間の皮膚から針を注入し、前立腺の組織検体を採取します。病理医が顕微鏡下でがん細胞があるか調べます。

諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。

予後(治癒の可能性)と治療法の選択は以下の条件により異なります。
  • がんの病期(がんが前立腺の一部に影響を与えているか、前立腺全体に及んでいるか、あるいは身体の他の部位に拡がっているか)。
  • 患者さんの年齢、および全身状態。
  • がんが初発か再発(再燃)かどうか。
予後はグリーソンスコアとPSAのレベルによっても異なります。

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病期

このセクションの要点
  • 前立腺がんと診断された場合、がん細胞が前立腺内にとどまっているのか、あるいは体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で検査を行います。
  • がんが体内に拡がる方法は3通りあります。
  • 前立腺がんの病期は以下の通りです:
    • I期
    • II期
    • III期
    • IV期

前立腺がんと診断された場合、がん細胞が前立腺内にとどまっているか、あるいは体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で検査を行います。

がんが前立腺内にとどまっているか、あるいは体の他の部分まで拡がっているかをみる過程を「病期診断」といいます。病期診断の過程で集められた情報により病期を確定します。治療計画を立てるためには病期を把握することが大切です。病期診断に用いられる試験や手法は以下になります:
放射線核種骨スキャン:
骨にがん細胞のなどの分裂の早い細胞があるか調べる方法です。血管にごく少量の放射性物質を注入し、血流に流します。放射性物質は骨に蓄積され、スキャナーで観察します。
MRI(磁気共鳴画像法):
磁石、電波、コンピューターを用いて体内の詳細な像を連続的に撮影します。この方法は核磁気共鳴イメージング(NMRI)とも呼ばれています。
骨盤リンパ節郭清術:
骨盤内のリンパ節を摘出します。病理医が顕微鏡下で組織にがん細胞があるか調べます。
CTスキャン(CATスキャン):
いろいろな角度から体内の詳細な像を連続的に撮影します。像はX線撮影装置と連動したコンピューターにより作られます。造影剤を静脈内に注入または飲み込むと、臓器や組織がよりはっきり示されます。この方法はまたコンピューター断層撮影法、またはコンピューター体軸断層撮影法とも呼ばれています。
精嚢生検:
精嚢(精液をつくる腺)に針を注入し、精液を採取します。病理医が顕微鏡下で精液にがんがあるか調べます。
これらの検査結果は前立腺がんの病期を確定するために、最初の腫瘍生検の結果と併せて再検討されます。

がんの病期は前立腺特異抗原(PSA)検査と原発腫瘍生検を含む診断テストによって決められます。生検はグリーソンスコアを確定するために使用されます。グリーソンスコアは正常な細胞とがん細胞がどのように異なるのか、どのように腫瘍が拡がっているのかを説明するために2~10で評点を定めています。

がんが体内に拡がる方法は3通りあります。

がんが体内に拡がる方法は以下のように3通りあります:
  • 組織を透過して、がんが周囲の正常組織に侵入します。
  • リンパ系を透過して、がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を経て体内の他の部分に移動します。
  • 血液を透過して、がんが静脈と毛細血管に侵入し、血液を経て体内の他の部分に移動します。

がん細胞が原発部位(初めの腫瘍)から離脱してリンパや血液を経て体内の他の部分に移動すると、別の腫瘍(二次性腫瘍)を形成するかもしれません。この過程を転移と読んでいます。二次性腫瘍(転移性腫瘍)は原発部位の腫瘍と同じタイプのがんです。例えば、もし乳がんが骨に転移するのなら、骨のがん細胞は実際に乳がんのがん細胞です。その病気は骨のがんではなく、転移性乳がんです。

前立腺がんの病期は以下の通りです:

I期
I期では、がんは前立腺内にのみみられます。がんは
  • 針生検(PSAの上昇などの)あるいは他の理由(良性前立腺肥大症など)の手術時の少量の組織で見つかります。PSA濃度は10未満で、グリーソンスコアは6以下です;
  • 前立腺の片葉の半分以内で見つかります。PSA濃度は10未満で、グリーソンスコアは6以下です;あるいは
  • 直腸指診では触知不能で、画像では診断できません。がんは前立腺の片葉の半分以内で見つかります。PSA濃度、グリンーソンスコアは不明です。
II期
II期では、I期よりがんは進行していますが、前立腺の内部にとどまっています。II期はIIA期とIIB期に分けられます。

IIA期 では、がんは:
  • 針生検(PSAの上昇などの)あるいは他の理由(良性前立腺肥大症など)の手術時の少量の組織で見つかります。PSA濃度は20未満で、グリーソンスコアは7です;あるいは
  • 針生検(PSAの上昇などの)あるいは他の理由(良性前立腺肥大症など)の手術時の少量の組織で見つかります。PSA濃度は10から20未満で、グリーソンスコアは6以下です;あるいは
  • 前立腺の片葉の半分以内で見つかります。PSA濃度は10から20未満で、グリーソンスコアは6以下です;あるいは
  • 前立腺の片葉の半分以内で見つかります。PSA濃度は20未満で、グリーソンスコアは7です;あるいは
  • 前立腺の片葉の半分以上で見つかります。PSA濃度は20未満で、グリーソンスコアは7以下です;あるいは
  • 前立腺の片葉の半分以上で見つかります。PSA濃度とグリーソンスコア共に不明です。


IIB期では、がんは:
  • 前立腺の反対側で見つかります。PSA濃度はいろいろで、グリーソンスコアの範囲は2~10に分類することができます;あるいは
  • 直腸指診では触知不能で、画像では診断できません。前立腺の外側には拡がっていません。PSA濃度は20以上で、グリーソンスコアの範囲は2~10です;あるいは
  • 直腸指診では触知不能で、画像では診断できません。前立腺の外側には拡がっていません。PSA濃度はいろいろで、グリーソンスコアの範囲は8以上です。
III期
III期では、がんは前立腺をつつむ被膜を越えて近傍の組織に浸潤しています。精嚢内にもがんが存在することがあります。PSA濃度はいろいろで、グリーソンスコアは2~10に分類することができます。
IV期
IV期では、PASレベルはいろいろで、グリーソンスコアは2~10に分類することができます。また、がんは
  • 精嚢を超えて隣接組織や直腸、膀胱、骨盤壁などの臓器に拡がっています;あるいは
  • 精嚢か隣接組織や直腸、膀胱、骨盤壁などの臓器に拡がっているかもしれません。がんは隣接リンパ節に拡がっています;あるいは
  • リンパ節あるいは骨のような身体の遠隔部位に拡がっています。前立腺がんは骨に拡がることが多いです。

再発前立腺がん

再発前立腺がんとは、治療したあとにがんが再発する(再び生じてくる)ことを意味します。再発前立腺がんは前立腺、あるいは体の他の部分におこることもあります。

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治療法の概要

このセクションの要点
  • 前立腺がんの患者さんに対して様々なタイプの治療法があります。
  • 6種類の標準的治療法が用いられます:
    • 待機療法あるいは監視療法
    • 手術療法
    • 放射線療法
    • ホルモン療法
    • 化学療法
    • 生物学的療法
  • 新しい治療法は現在、臨床試験で有効性を検証中です。
    • 凍結手術療法
    • 高密度焦点式超音波治療
    • 陽子線療法
  • 臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。
  • がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。
  • フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

前立腺がんの患者さんに対して様々なタイプの治療法があります。

前立腺がんの患者さんに対して様々なタイプの治療法があります。標準的(現在用いられている)治療法もあれば、臨床試験として治療が行われるものもあります。治療を始める前に、臨床試験に参加してみてはどうかと考えてみるのもよいでしょう。治療法に関する臨床試験を行う目的は、現在行われている治療法を改善したり、新しい治療に関する情報を得たりすることにあります。現時点で「標準的」とされている治療法よりも新しい治療法の方がより良いと証明されれば、今度はその新しい治療法が標準的な治療法になる可能性があります。臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。いくつかの臨床試験は治療を始めていない患者さんにのみ開かれています。

6種類の標準的治療法が用いられます:

待機療法あるいは監視療法
待機療法は、症状の有無や変化がみられるまで治療をせずに注意深く経過観察します。
監視療法は、検査結果に変化がみられるまで治療をせずに患者さんの状態を注意深く観察します。症状が悪化している徴候を早く見つけるのに用いられます。監視療法では患者さんに対して生検のような特定の検査や試験が定期的に行われます。
手術療法
前立腺がんの手術処置を選んだ健康状態のよい患者さんに通常適用されます。手術の種類は以下になります:
骨盤リンパ節郭清術:
骨盤内のリンパ節を摘出します。病理医が顕微鏡下で組織にがん細胞があるか調べます。がんが認められた場合、前立腺を摘除せず、他の治療法を勧めます。
根治的前立腺摘除術:
前立腺とその周囲の組織、隣接するリンパ節、精嚢を取り除く手術。2種類の根治的前立腺摘除術があります:
  • 恥骨後前立腺摘除術:腹壁を切開し、前立腺を取り除く手術。周囲のリンパ節摘除が同時に行われることもあります。
  • 経会陰式前立腺摘除術:会陰(陰嚢と肛門の間)を切開して前立腺を取り除く手術。腹部を切開してリンパ節摘除されます。
経尿道的前立腺切除術(TURP):
膀胱鏡(細いライトの付きの切除用具付き管)を尿道に挿入して前立腺の組織を取り除く手術。この方法は、他の治療法に進む前に腫瘍による症状を和らげる目的で行われることもあります。また、病気あるいは高齢などの理由で根治的前立腺摘除術を受けられない男性に行われることもあります。
手術を受けられた患者さんの中には勃起不全、尿失禁、あるいは便失禁が起こることがあります。自律神経温存術として知られる技術を行う場合もあります。この種の手術は勃起を制御する神経を温存します。しかし、腫瘍あるいは大きな腫瘍が神経付近にある場合、この手術を行うことができない場合もあります。

根治的前立腺摘除術後に陰茎は1~2cm短くなるかもしれません。正確な理由は不明です。

鼠径ヘルニアは、衰えた筋肉を通して脂肪あるいは小腸の一部が鼠径部に飛び出している状態です。根治的前立腺切除術を行った男性が、他の種類の前立腺手術、放射線療法あるいは前立腺生検を単独で行った男性より多く発症します。根治的前立腺切除術後の2年以内に起こる可能性が最も多いです。
放射線療法
放射線療法は高エネルギーX線やその他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺すかまたは成長させないでおくがん治療のことです。放射線療法には2つのタイプがあります。体外照射は体外の機械を用いてがんに放射線を照射する治療法です。体内照射は放射性物質を密封した針、シーズ、ワイヤ、カテーテルをがんの内部またはその近くに直接留置して、がんに放射線を照射する治療法です。放射線療法の方法はがんの種類や病期によって異なります。

放射線治療を行った男性は膀胱がんと直腸がん、またはいづれかのがんになるリスクが高くなります。

放射線療法を行った男性にインポテンスや排尿障害が起きる可能性があります。
ホルモン療法
ホルモン療法はホルモンを取り除き、作用を阻止し、がん細胞の増殖を停止させるがん治療です。ホルモンは体の「腺(せん)」と呼ばれるところから出る物質で、血液の流れに乗って体内を循環しています。あるホルモンの存在により、特定のがんが増殖する原因となります。
前立腺がんにおいて、男性ホルモンが前立腺がんの成長を引き起こします。男性ホルモンを減らすためあるいは作用できなくするために薬剤、手術または他のホルモン療法がおこなわれます。

前立腺がんに対して用いられるホルモン療法は以下になります:
  • 黄体形成ホルモン放出ホルモンアゴニストは精巣でテストステロンの分泌を抑制します。ロイプロリド、ゴセレリン、ブセレリンがあげられます。
  • 抗男性ホルモンはアンドロゲン(男性の性特徴を増進するホルモン)の作用を阻害します。エンザルタミド、フルタミドおよびニルタミドがあげられます。
  • ケトコナゾールやアミノグルテチミドなどの薬剤の投与により、副腎における男性ホルモンの分泌を抑制します。
  • 睾丸摘除術は男性ホルモンの主な分泌源である睾丸の片方または両方を取り除く手術であり、ホルモン分泌量を減少させます。
  • エストロゲン(女性の性特徴を増進するホルモン)の投与により精巣でテストステロンの分泌を抑制します。しかし、重篤な副作用のため、現在、前立腺がんの治療にエストロゲン投与はめったに用いられません。

ホルモン療法によって治療された患者さんについては、顔のほてり、性的機能障害、性的欲求喪失、骨の弱体化が生じる可能性があります。 他の副作用には、下痢、悪心、掻痒(かゆみ)があります。

詳しい情報については前立腺がんに対する承認薬を参照してください。
化学療法
化学療法は、薬剤を用いてがん細胞を殺すかまたは細胞分裂を停止させることでがん細胞の増殖を停止させるがん治療のことです。口から服用したり、筋肉や静脈内に注入する化学療法では、薬剤は血流を通って全身のがん細胞に影響することができます(全身療法)。脳脊髄液、臓器、腹部などの体腔に薬剤を直接注入する化学療法では、薬剤は主にこれらの領域中にあるがん細胞に影響します(局所化学療法)。化学療法はがんの種類や病期によって異なります。

詳しい情報については前立腺がんに対する承認薬を参照してください。
生物学的療法
生物学的療法は、患者さん自身のがんと闘う免疫システムを用いた治療法です。自らの体内でつくられる物質や実験室で作成された物質を用い、患者さん自身のがんに対するもともとの抵抗力を高め、方向づけしたり、回復させたりします。この方法は生物療法または免疫療法とも呼ばれています。Sipuleucel-Tは転移した(身体の他の部分に拡がった)前立腺がんの治療に用いられる生物学的療法の一つです。

詳しい情報については前立腺がんに対する承認薬を参照してください。

新しい治療法は現在、臨床試験で有効性を検証中です。

このまとめのセクションでは、現在臨床試験を行っている治療法について触れますが、最新の臨床試験をすべて網羅できていない可能性があります。実施されている臨床試験についての情報はインターネットでNCI Web siteにアクセスすれば、入手できます。
凍結手術療法
凍結手術療法は前立腺がん細胞を凍らせ、破壊する機器を用いた治療法です。この治療法は凍結療法とも呼ばれています。
高密度焦点式超音波治療
高密度焦点式超音波治療はがん細胞を破壊するために超音波(高エネルギーの音波)を使う治療です。前立腺がん治療において直腸プローブは音波を発して使われます。
陽子線療法
陽子線療法は陽子(正の電荷を帯びた小さな粒子)の流れを利用して腫瘍を標的とする高エネルギーの外照射療法の1種です。この種の放射線療法は前立腺がん治療に対して研究下にあります。

臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。

何人かの患者さんにおいて臨床試験に参加することは最良の治療選択であるかもしれません。臨床試験はがんの研究過程の一つです。臨床試験は新たな治療法が標準的な治療法より安全で有効であるかを見つけ出すために行います。

がんに対する今日の標準的な治療法の多くは早期の臨床試験を基本にしています。臨床試験に参加する患者さんは標準的な治療を受けるか、初めて新しい治療を受けることになるかもしれません。

また、臨床試験に参加する患者さんは未来のがん治療法の改良を助けます。新しい治療法の臨床試験が有効性を示さなくても、しばしば重要な疑問の答えとなり、研究が前進するのを助けます。

がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。

いくつかの臨床試験はまだ治療を受けていない患者さんを含んでいます。他の試験はがんが回復していない患者さんに対する治療を評価します。がんが再発する(再起する)のを止めるか、がん治療の副作用を軽減する新しい方法を評価する臨床試験もあります。

臨床試験は国の多くの地域で行われています。治療法の項での現在の治療法の臨床試験へのリンクを参照してください。NCIの臨床試験リストから取り出してきます。

フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

がんを診断するために行われた、あるいはがんの病期をみつけるために行われた検査が繰り返されるかもしれません。いくつかの検査は治療がどれぐらいよく効いているかをみるために行われるでしょう。治療を続ける、変更するか止めるかどうかの判断がこれらの検査結果を基に行われるかもしれません。これらはときどき再病期診断と呼ばれます。

いくつかの検査は治療が終わった後に時々継続して行われるでしょう。これらの検査結果は状態が変化したかどうか、またはがんが再発(再起)したかを示すことができます。これらの検査は時々、フォローアップ検査か定期検査と呼ばれます。

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病期別治療法

現在行われている臨床試験の検索結果へのリンクは各治療の項目に記載されています。いくつかのがんの種類や病期については、試験がリストされていないことがあります。リストされていなくても、実施されていると思われる臨床試験については主治医に相談してください。

I期

I期の治療法は以下になります:
  • 待機療法あるいは監視療法。
  • 通常、骨盤リンパ節郭清術と根治的前立腺摘除術。手術後、放射線療法を併用することもあります。勃起不全を起こさないように神経を温存して前立腺を摘除することもあります。
  • 外照射。
  • 組織内照射。
  • 高密度焦点式超音波治療の臨床試験。
  • 新しい治療法を評価する目的で行われる臨床試験。
現在、米国でⅠ期の前立腺がんの患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

II期

II期の治療法は以下になります:
  • 待機療法あるいは監視療法。
  • 骨盤リンパ節郭清術併用または非併用する根治的前立腺摘除術。手術後、放射線療法を併用することもあります。勃起不全を起こさないように神経を温存して前立腺を摘除することもあります。
  • ホルモン療法併用または非併用する外照射療法。
  • 組織内照射。
  • ホルモン療法併用または非併用する放射線療法の臨床試験。
  • 超音波を用いた凍結手術療法の臨床試験。
  • 高密度焦点式超音波治療の臨床試験。
  • 陽子線療法の臨床試験。
  • ホルモン療法後の根治的前立腺摘除術のような新しい治療法を評価する目的で行われる臨床試験。
現在、米国でⅡ期の前立腺がんの患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

III期

III期の治療法は以下になります:
  • 外照射単独、あるいはホルモン療法との併用。
  • ホルモン療法。
  • 骨盤リンパ節郭清術併用または非併用する根治的前立腺摘除術。手術後、放射線療法を併用することもあります。
  • 待機療法あるいは監視療法。
  • がんによる症状を和らげる緩和的療法としての放射線療法、ホルモン療法、あるいは経尿道的前立腺切除術。
  • 放射線療法の臨床試験。
  • 超音波を用いた凍結手術療法の臨床試験。
  • 新しい治療法を評価する目的で行われる臨床試験。
現在、米国でⅢ期の前立腺がんの患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

IV期

IV期の治療法は以下になります:
  • ホルモン療法。
  • 外照射単独、あるいはホルモン療法との併用。
  • がんによる症状を和らげる緩和的療法としての放射線療法あるいは経尿道的前立腺切除術。
  • 待機療法あるいは監視療法。
  • 睾丸摘除術と併用した放射線前立腺摘除術の臨床試験。
現在、米国でⅣ期の前立腺がんの患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

再発前立腺がんの治療法

再発前立腺がんの治療法は以下になります:
  • 放射線療法。
  • 放射線療法を受けた患者さんに前立腺摘除術を行います。
  • ホルモン療法。
  • すでにホルモン療法を受けた患者さんにSipuleucel-Tを用いる生物学的療法。
  • 化学療法。
  • 骨の痛みを和らげる緩和的療法としての疼痛治療、外照射、ストロンチウム89などの放射性同位元素を用いた腔内照射、あるいは他の治療法。
  • 超音波を用いた凍結手術療法の臨床試験。
  • 新しい抗がん剤の臨床試験。
現在、米国で再発前立腺がんの患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。
(2012年09月更新)

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