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膵がん

概説

このセクションの要点
  • 膵がんとは膵臓の組織内に悪性(がん)細胞が認められる病気です。
  • 喫煙および既往歴により膵がんの発生リスクに影響が出ます。
  • 膵がんを疑う症状としては、黄疸、疼痛、体重減少などがあります。
  • 膵がんは早期に発見し、診断することが困難です。
  • 膵がんを発見、診断し、膵がんの病期を決定するために、膵臓の検査が用いられます。
  • 諸条件により治療法の選択や予後(治癒の可能性)が変わります。

膵がんとは膵臓の組織内に悪性(がん)細胞が認められる病気です。

膵臓は薄い洋ナシを横に置いたような形をした約6インチの長さの腺です。膵臓の広い方の端は頭部と呼ばれており、中央部は体部、狭い方の端は尾部と呼ばれています。膵臓は胃の裏側、脊椎の正面にあります。

膵臓の体内における働きは大きく分けて2つあります:
  • 食物の消化(破壊)を助ける分泌液をつくる。
  • 血糖値のコントロールに役立つインスリンやグルカゴンなどのホルモンをつくる。これらのホルモンは両方とも食物から得られたエネルギーを蓄えたり、体内で利用したりする際に役立ちます。
消化液は外分泌系膵臓細胞からつくられ、ホルモンは内分泌系膵臓細胞からつくられます。膵がんの約95%は外分泌系細胞から発生します。

ここでは外分泌系膵がんについて要約しています。内分泌系膵がんについての詳しい情報については、PDQの膵神経内分泌腫瘍(膵島細胞腫瘍)*の治療に関する項目を参照してください。

小児の膵がんについての詳しい情報は、PDQの小児ではまれながん*の治療に関する項目を参照してください。
(注)*の項目はがんinfoの項目には含まれていません。

喫煙および既往歴により膵がんの発生リスクに影響が出ます。

病気を発症する危険を高めるものをリスク因子と呼びます。リスク因子を持っていることはあなたががんにかかるということを意味するのではありませんし、リスク因子を持っていないことはあなたががんにかからないということを意味するものでもありません。それらがリスクであるかもしれないと考える人々は彼らの医師と議論をするべきです。
膵がんには次のようなリスク因子があります:
  • 喫煙。
  • 長年にわたる糖尿病の既往。
  • 慢性膵炎。
  • 遺伝性膵炎、多発性内分泌腺腫瘍1型症候群、遺伝性非腺腫性大腸がん(HNPCC;Lych症候群)、フォンヒッペル・リンダウ症候群、毛細血管拡張運動失調症、家族性異型多発母斑黒色腫症候群(FAMMM)などの特定の遺伝的状態。

膵がんを疑う症状としては、黄疸、疼痛、体重減少などがあります。

膵がんによって、以下の症状や他の症状がみられることがあります。他の状況によっても同じ症状がみられます。以下の症状が1つでもみられた際には医師の診察を勧めます:
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色化する)。
  • 上、中腹部および背部の疼痛。
  • 原因不明の体重減少。
  • 食欲低下。
  • 疲労。

膵がんは早期に発見し、診断することが困難です。

次のような理由から膵がんは発見し診断するのが困難です:
  • 膵がんの初期の段階では顕著な症状や徴候はいずれもみられない。
  • 膵がんがある場合の症状は、他の多くの疾患の症状に似ている。
  • 膵臓は胃、小腸、肝臓、胆嚢、脾臓、胆管など他の器官の後ろに隠れている。

膵がんを発見、診断し、膵がんの病期を決定するために、膵臓の検査が用いられます。

通常、膵がんは検査や膵臓およびその周辺部の画像を撮影する手法により診断されます。がん細胞が膵臓内および膵臓周囲に拡がっているかどうかを調べるために行われる検査を「病期診断」といいます。膵がんの発見、診断および病期を決定するための検査および手法は通常同時に行われます。治療計画を立てるためには、病期を知り、膵がんが手術により取り除くことが可能かどうかを把握することは重要です。検査や手法には次のようなものがあります:
理学的所見と既往歴:
しこりなどの疾患の徴候がないか、身体の一般的健康状態を調べます。また患者さんの生活習慣や過去の病歴、治療歴についても調べます。
胸部X線検査:
胸部の臓器と骨のX線照射を行います。X線とは体内を通過してフィルム上まで達し、体内を撮影することができるエネルギービームの一種です。
CTスキャン(CATスキャン):
いろいろな角度から体内の詳細な像を連続的に撮影します。像はX線撮影装置と連動したコンピュータにより作られます。造影剤を静脈内に注入または飲みこむと、臓器や組織がよりはっきり示されます。この方法はまたコンピュータ断層撮影法、またはコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれています。スパイラルまたはヘリカルCTスキャンはX腺装置を使って、らせん状軌道で身体をスキャンすることから、身体内部領域の詳細な像が撮影されます。
MRI(核磁気共鳴画像法):
磁石、電波、コンピュータを用いて、体内領域の一連の詳細な画像を撮影する方法です。この検査は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれています。
PETスキャン(陽電子放射断層撮影):
体内にある悪性腫瘍細胞をみつける手法です。少量の放射性核種グルコース(糖)を静脈内に注入します。PETスキャナーで、グルコースが体内のどこで使われているかを撮影します。悪性がん細胞は、正常細胞よりも活発で、グルコースを多く吸収することから、像はより明るく示されます。
超音波内視鏡検査(EUS):
通常、口または直腸から体内に内視鏡を挿入します。内視鏡は観察用のライトとレンズがついた細くてチューブ状の器具のことです。内視鏡の端のプローブには組織や器官に高エネルギー音波(超音波)を反射させエコーを作ります。エコーはソノグラムと呼ばれる像を形成します。
腹腔鏡検査:
疾患の兆候を検査するために腹腔内の臓器を見る手術的手法です。小さい切開部から腹壁に腹腔鏡(細く、ライトの付いたチューブ)を挿入します。他の器具を使って同じまたは他の切開部から生検のために組織サンプルやリンパ節を摘出する場合もあります。
内視鏡的逆行性胆管膵管造影(ERCP):
肝臓から胆嚢へ、さらに胆嚢から小腸まで胆汁を運ぶ胆管(管)のX線像を撮影する手法です。膵がんはこの管を狭窄し、胆汁の流れを遮断または遅くするため、黄疸が誘発されます。内視鏡(細く、ライトの付いたチューブ)を口から食道、胃を通して、小腸の最初の部分まで挿入します。そのあと内視鏡を介してカテーテル(より細いチューブ)を膵管まで挿入します。カテーテルを通して造影剤を膵管に注入し、X線により撮影します。膵管が腫瘍によって遮断されている場合、それを取り除くために細いチューブを膵管まで挿入することがあります。膵管を拡げておくために、細いチューブ(またはステント)を留置する場合もあります。また組織サンプルを採取することもあります。
経皮経肝胆管造影(PTC):
肝臓および胆管のX線像を撮影する手法です。細い針を肋骨の間の皮膚から肝臓内に挿入します。造影剤を肝臓または胆管内に注入し、X線撮影します。遮断が確認される場合は、ときにステントと呼ばれる細く、柔軟性のあるチューブを肝臓に留置して、胆汁を小腸まで排出するか、体外の収集バッグへ排泄させます。この検査はERCPが行えない場合にのみ行われます。
生検:
細胞または組織を摘出し、がんの徴候があるかどうかを調べるために病理医が顕微鏡下で観察します。膵がんに対する生検にはいくつかの方法があります。X線や超音波で観ながら、細い針を膵臓内に挿入し細胞を摘出することもあります。また組織は腹腔鏡(腹壁に行われる開腹術)で観ながら摘出する場合もあります。

諸条件により治療法の選択や予後(治癒の可能性)が変わります。

予後(治癒の可能性)や治療法は以下の条件により異なります。
  • がんが手術によって切除できるかどうか。
  • がんの病期(腫瘍の大きさ、がんが膵臓の外側、隣接組織、リンパ節または身体の他の部位まで拡がっているかどうか)。
  • 患者さんの全身状態。
  • がんが初発か再発(再燃)かどうか。
膵がんは拡がる前に発見し、手術により摘出できる場合にのみコントロールが可能です。がんがすでに拡がっている場合、緩和療法が行われ、症状や併発症をコントロールすることでQOLを改善することができます。

治療を改善するために行われている臨床試験の1つに参加することも考慮されます。現在行われている臨床試験についての情報はNCI Web siteにアクセスすれば入手できます。

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病期

このセクションの要点
  • 通常、膵がんの病期を決定するための検査や手法は診断と同時に行われます。
  • がんが体内に拡がる方法は5通りあります。
  • 膵がんの病期は以下の通りです。
    • 0期
    • I期
    • II期
    • III期
    • IV期

通常、膵がんの病期を決定するための検査や手法は診断と同時に行われます。

がんが体内に拡がる方法は5通りあります。

がんが体内に拡がる方法は以下のように3通りあります:
  • 組織を透過して、がんが周囲の正常組織に侵入します。
  • リンパ系を透過して、がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を経て体内の他の部分に移動します。
  • 血液を透過して、がんが静脈と毛細血管に侵入し、血液を経て体内の他の部分に移動します。
がん細胞が原発部位(初めの腫瘍)から離脱してリンパや血液を経て体内の他の部分に移動すると、別の腫瘍(二次性腫瘍)を形成するかもしれません。この過程を転移と読んでいます。二次性腫瘍(転移性腫瘍)は原発部位の腫瘍と同じタイプのがんです。例えば、もし乳がんが骨に転移するのなら、骨のがん細胞は実際に乳がんのがん細胞です。その病気は骨のがんではなく、転移性乳がんです。

膵がんの病期は以下の通りです。

0期
0期では、異常な細胞が形成され、膵臓の内層に限局して認められます。これらの異常な細胞はがんになり、近くの正常な組織に拡がる可能性があります。0期は上皮内がんとも呼ばれています。
I期
I期では、異常な細胞が形成され、膵臓のみに認められます。I期はがんの大きさによってIA期とIB期に分かれます。
IA期:
がんの大きさが2cm以下。
IB期:
がんの大きさが2cmより大きい。
II期
II期では、がんは膵臓の隣接組織、器官にまで拡がっており、膵臓に隣接したリンパ節にまで拡がっている場合もあります。II期はがんがどこまで拡がっているかによってIIA期とIIB期に分かれます。
IIA期:
がんは膵臓の隣接組織、器官にまで拡がっており、膵臓に隣接するリンパ節には拡がっていません。
IIB期:
がんは膵臓に隣接するリンパ節にまで拡がっており、膵臓の隣接組織、器官にまで拡がっている場合もあります。
III期
III期では、がんは大動脈などの膵臓に近い主な血管にまで拡がっており、リンパ節の近くまで拡がっている場合もあります。
IV期
IV期では、がんの大きさに関わらず、肝臓、肺、腹膜腔などの膵臓から離れた器官まで拡がっており、膵臓に近い組織、器官、リンパ節にまで拡がっている場合もあります。

再発性膵がん

再発性膵がんは治療後に再び生じた(再燃)がんのことをいいます。再発性膵がんは膵臓内または体の他の部位に再発することがあります。

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治療法の概要

このセクションの要点
  • 膵がん患者さんに対して各種治療法があります。
  • 標準的治療法として以下の5種類が用いられます:
    • 外科的療法
    • 放射線療法
    • 化学療法
    • 化学放射線療法
    • 標的療法
  • 膵がんにより生じる疼痛に対する治療法があります。
  • 膵がん患者さんでは特別な栄養管理が必要です。
  • 新しい治療法は現在、臨床試験で有効性を検討中です。
    • 生物学的療法
  • 臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。
  • がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。
  • フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

膵がん患者さんに対して各種治療法があります。

膵がん患者さんに対して各種治療法が適用されます。標準的治療法(現在用いられている治療法)もあれば、臨床試験において検証されているものもあります。治療法についての臨床試験は、現在行われている治療法の改善やがん患者さんの新しい治療法に対する情報を得るために行われるものです。現時点で標準的とされている治療法よりも新しい治療法の方が良いと示された場合、今度は新しい治療法が標準的治療法になる可能性があります。臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。いくつかの臨床試験は治療を始めていない患者さんにのみ開かれています。

標準的治療法として以下の5種類が用いられます:

外科的療法
腫瘍を摘出するために次のいずれかの外科的手法が用いられます。
Whipple手術:
膵臓の頭部、胆嚢、胃の一部、小腸の一部、胆管を摘出します。消化液やインスリンを分泌する膵臓の機能は充分残ります。
膵全摘術:
この手術では膵臓全体、胃の一部、小腸の一部、総胆管、胆嚢、脾臓、隣接リンパ節が摘出されます。
膵尾部切除術:
膵臓の体部、尾部および通常脾臓が摘出されます。
がんがすでに拡がっており、摘出が不可能な場合、症状を軽減するために次のような緩和療法が行われることがあります。
外科的胆管バイパス:
がんが小腸を閉塞し、胆嚢中に胆汁が増量した場合、胆管バイパスが行われることがあります。この手術の際に、閉塞部位付近に新たな経路をつくるために胆嚢や胆管を切って小腸に縫合します。
内視鏡的ステント留置:
腫瘍が胆管を閉塞している場合、その部位に増量した胆汁を排泄するために手術によりステント(細い管)が留置されることがあります。カテーテルを介してステントを留置して体外に排泄する場合と閉塞部位付近にステントを留置して小腸へ胆汁を排出する場合があります。
胃バイパス:
腫瘍が閉塞し、胃から食物が流れていかなくなっている場合、胃と小腸とを直接縫合して普通に食事が取れるようにすることもあります。
放射線療法
放射線療法は高エネルギーX線やその他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺すかまたは成長させないでおくがん治療のことです。放射線療法には2つのタイプがあります。体外照射は体外の機械を用いてがんに放射線を照射する治療法です。体内照射は放射性物質を密封した針、シーズ、ワイヤ、カテーテルをがんの内部またはその近くに直接留置して、がんに放射線を照射する治療法です。放射線療法の方法はがんの種類や病期によって異なります。
化学療法
化学療法は、薬剤を用いてがん細胞を殺すかまたは細胞分裂を停止させることでがん細胞の増殖を停止させるがん治療のことです。口から服用したり、筋肉や静脈内に注入する化学療法では、薬剤は血流を通って全身のがん細胞に影響します(全身療法)。脳脊髄液、臓器、腹部などの体腔に薬剤を直接注入する化学療法では、薬剤は主にこれらの領域中にあるがん細胞に影響します(局所化学療法)。多剤併用化学療法は2種類以上の抗がん剤を用いる治療法です。化学療法はがんの種類や病期によって異なります。

詳しい情報については膵がんに対する承認薬を参照してください。
化学放射線療法
化学放射線療法は、化学療法と放射線療法を併用し、両方の効果を増強させるものです。
標的療法
標的療法は、正常な細胞を傷つけずに特定のがん細胞を識別したり攻撃したりする薬剤や他の物質を用いる治療法です。チロシンキナーセ阻害剤(TKIs)は、がんの成長に必要なきっかけを阻止する標的治療薬です。エルロチニブは膵がん治療に用いられるTKIのひとつです。

膵がんにより生じる疼痛に対する治療法があります。

腫瘍が膵臓に隣接した神経または他の器官を圧迫すると疼痛が生じます。疼痛医療が充分でない場合、疼痛を緩和するために腹腔神経に作用する治療が行われます。影響を受けた神経の周辺部位に薬剤を注入するか、疼痛感を遮断するため神経を切断することがあります。化学療法併用または非併用下での放射線療法は腫瘍を縮小することで疼痛の緩和に役立つ可能性があります。

膵がん患者さんでは特別な栄養管理が必要です。

膵臓を摘出する手術では、食物の消化を調節する膵酵素の分泌に影響がみられる結果、食物の消化、体内への栄養素の吸収に問題が生じる可能性があります。栄養失調を予防するために、これらの酵素を補充する薬剤が処方される場合があります。

新しい治療法は現在、臨床試験で有効性を検討中です。

このまとめのセクションでは、現在臨床試験を行っている治療法について触れますが、最新の臨床試験をすべて網羅できていない可能性があります。実施されている臨床試験についての情報はインターネットでNCI Web siteにアクセスすれば、入手できます。
生物学的療法
生物学的療法は、患者さん自身のがんと闘う免疫機構を用いた治療法です。自らの体内でつくられる物質や実験室で作成された物質を用い、患者さん自身のがんに対するもともとの抵抗力を高め、方向づけしたり、回復させたりします。このようながんの治療法は生物学的療法または免疫療法とも呼ばれています。

臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。

何人かの患者さんにおいて臨床試験に参加することは最良の治療選択であるかもしれません。臨床試験はがんの研究過程の一つです。臨床試験は新たな治療法が標準的な治療法より安全で有効であるかを見つけ出すために行います。

がんに対する今日の標準的な治療法の多くは早期の臨床試験を基本にしています。臨床試験に参加する患者さんは標準的な治療を受けるか、初めて新しい治療を受けることになるかもしれません。

また、臨床試験に参加する患者さんは未来のがん治療法の改良を助けます。新しい治療法の臨床試験が有効性を示さなくても、しばしば重要な疑問の答えとなり、研究が前進するのを助けます。

がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。

いくつかの臨床試験はまだ治療を受けていない患者さんを含んでいます。他の試験はがんが回復していない患者さんに対する治療を評価します。がんが再発する(再起する)のを止めるか、がん治療の副作用を軽減する新しい方法を評価する臨床試験もあります。

臨床試験は国の多くの地域で行われています。治療法の項での現在の治療法の臨床試験へのリンクを参照してください。NCIの臨床試験リストから取り出してきます。

フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

がんを診断するために行われた、あるいはがんの病期をみつけるために行われた検査が繰り返されるかもしれません。いくつかの検査は治療がどれぐらいよく効いているかをみるために行われるでしょう。治療を続ける、変更するか止めるかどうかの判断がこれらの検査結果を基に行われるかもしれません。これらはときどき再病期診断と呼ばれます。

いくつかの検査は治療が終わった後に時々継続して行われるでしょう。これらの検査結果は状態が変化したかどうか、またはがんが再発(再起)したかを示すことができます。これらの検査は時々、フォローアップ検査か定期検査と呼ばれます。

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病期別治療法


現在行われている臨床試験の検索結果へのリンクは各治療の項目に記載されています。いくつかのがんの種類や病期については、試験がリストされていないことがあります。リストされていなくても、実施されていると思われる臨床試験については主治医に相談してください。

I期、II期膵がん

I期、II期膵がんの治療法は次のいずれかになると思われます:
  • 化学療法併用あるいは非併用下での手術。
  • 手術と化学療法、放射線療法の併用。
  • 多剤併用化学療法の臨床試験。
  • 化学放射線療法併用あるいは非併用下での、化学療法および標的療法(エルロチニブ)の臨床試験。
  • 手術前の化学療法および/あるいは放射線療法の臨床試験。
現在、米国でⅠ期膵がん患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから、確認してください。 さらに具体的な内容について、試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。 臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

III期膵がん

III期膵がんの治療法は次のいずれかになると思われます:
  • 胆管または小腸における閉塞部位をバイパスするための緩和的手術またはステント留置。
  • 標的療法(エルロチニブ)併用あるいは非併用下での化学療法(ゲムシタビン)。
  • 多剤併用化学療法。
  • 化学放射線治療後に化学療法。
  • 体内の他の部位に拡がっていないがんに対して、化学療法後に化学放射線療法。
  • 化学療法か化学放射線療法に伴う新しい抗がん療法の臨床試験
  • 手術中に放射線療法を行う臨床試験。腔内照射を併用することもあります。
現在、米国でIII期膵がん患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから、確認してください。試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。 臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

IV期膵がん

IV期膵がんの治療法は次のいずれかになると思われます:
  • 化学療法(ゲムシタビン)併用あるいは非併用下での標的療法(エルロチニブ)。
  • 多剤併用化学療法。
  • 神経ブロックまたは他の支援的ケアによる疼痛に対する緩和療法。
  • 胆管または小腸における閉塞部位をバイパスするための緩和的手術またはステント留置。
  • 化学療法の有無に関わらず、新しい抗がん剤を用いた臨床試験。
現在、米国でIV期膵がん患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから、確認してください。

再発性膵がんに対する治療法

再発性膵がんの治療法は次のいずれかになると思われます:
  • 化学療法。
  • 緩和的手術または、胆管または小腸における閉塞部位をバイパスするためのステント留置。
  • 緩和的放射線療法。
  • 疼痛を緩和するための神経ブロックなど、症状を軽減するための他の緩和的医療ケア。
  • 化学療法、新しい抗がん療法、または生物学的療法の臨床試験。
現在、米国で再発性膵がん患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから、確認してください。試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。 臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。
(2012年03月更新)

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