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がんinfo

成人原発性肝がん

概説

このセクションの要点
  • 成人原発性肝がんとは肝臓組織中に悪性(がん)細胞が認められる病気です。
  • 肝炎または肝硬変の存在は成人原発性肝がんの発生リスクに影響します。
  • 成人原発性肝がんを疑う症状として、右側腹部のしこりと疼痛などがあります。
  • 成人原発性肝がんを発見し、診断するために、肝臓および血液を調べるための検査が用いられます。
  • 諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。

成人原発性肝がんとは肝臓組織中に悪性(がん)細胞が認められる病気です。

肝臓は、胸郭内側の右上腹部を占める体の中でもっとも大きな臓器の1つです。それは右葉とそれより小さな左葉の2つの部分から構成されています。肝臓は、以下のことを含む多くの重要な機能をもっています。
  • 肝臓は血液から有害な物質を選別し、便や尿として体外に排出します。
  • 食物からの脂肪の消化を助ける胆汁を生成します。
  • 身体がエネルギーとして使うグリコーゲン(糖質)を貯蔵します。
本文は原発性肝がん(肝臓内に発生するがん)の治療について参照しています。本文では体内の他の部位から発生し、肝臓まで拡大したがんである転移性肝がんの治療については論じていません。原発性肝がんは成人と小児の両方に生じることがあります。しかし、小児に対する治療は成人に対する治療とは異なります(詳しい情報についてはPDQの小児肝がん*の治療についての項目を参照してください)。

(注)*の項目はがんinfoの項目には含まれていません。

肝炎または肝硬変の存在は成人原発性肝がんの発生リスクに影響します。

成人原発性肝がんに対するリスク因子には下記のようなものがあります:
  • B型肝炎および/またはC型肝炎を有する。
  • B型肝炎および肝臓がんの両方と密接な関連性がある。
  • 肝硬変を有する。
  • アフラトキシンを含む食物(穀類、ナッツ類などの食物中で生育可能な菌糸からの毒素で、おそらく蓄積されない)を食する。
  • 肥満

成人原発性肝がんを疑う症状として、右側腹部のしこりと疼痛などがあります。

以下の症状は肝臓の腫脹により誘発されることがあります。成人原発性肝がんや他の状況によって、以下の症状や他の症状などがみられることがあります。以下の症状が1つでもみられた際には医師の診察を勧めます:
  • 胸郭のすぐ下右側における硬いしこり。
  • 右側上腹部の不快感。
  • 右側肩甲骨周囲の疼痛。
  • 原因不明の体重減少。
  • 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)。
  • 異常な疲労感。
  • 悪心。
  • 食欲低下。

成人原発性肝がんを発見し、診断するために、肝臓および血液を調べるための検査が用いられます。

以下の試験や手法が用いられます:
理学的所見および既往歴:
しこりなどの疾患の徴候がないか、身体の一般的健康状態を調べます。また患者さんの生活習慣や過去の病歴、治療歴についても調べます。
血清腫瘍マーカー検査:
身体中の器官、組織、また体内にある腫瘍細胞によって放出されるある物質の量を測定するために、血液のサンプルを調べる手法です。特定の有害物質が血液中の量で増加している場合、がん特定の型と関係しています。血液中のα-フェトプロテイン(AFP)値の上昇は肝がんの徴候である場合があります。他のがんや肝硬変、肝炎などある種の非がん性状況でもまたAFP値が上昇することがあります。
肝機能検査:
肝臓によって血液中に放出されるある物質の量を測定するために、血液サンプルを調べる手法です。物質の量が正常より高い場合は、肝がんの徴候である可能性があります。
CTスキャン(CATスキャン):
いろいろな角度から体内の詳細な像を連続的に撮影します。像はX線撮影装置と連動したコンピュータにより作られます。造影剤を静脈内に注入または飲みこむと、臓器や組織がよりはっきり示されます。この方法はまたコンピュータ断層撮影法、またはコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれています。スパイラルあるいはヘリカルCTスキャンは、らせん状に体を走査するX線撮影装置を使って体内の非常に詳細な像を連続的に撮影します。
MRI(核磁気共鳴画像法):
磁石、電波、コンピュータを用いて、体内領域の一連の詳細な画像を撮影する方法です。この検査は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれています。肝臓と肝臓の近くの血管の詳細な画像を作るために、造影剤を静脈に注入します。この方法はMRA(磁気共鳴血管造影法)とも呼ばれています。
超音波検査:
高エネルギー音波(超音波)を体内組織または器官に反射させ、そのエコーをつくる方法です。エコーからソノグラフと呼ばれる体内組織の像が撮影されます。
腹腔鏡検査:
疾患の徴候を調べるために腹腔内の器官を観察する外科的手法です。腹壁に小さい切開部(切れ目)をつくり、腹腔鏡(細く、ライトの付いたチューブ)を腹部に挿入します。他の器具を使って同じまたは異なる切開部から挿入して生検のために組織サンプルおよびリンパ節を採取することもあります。
生検:
細胞または組織を採取し、病理医が顕微鏡下で観察し、がんの徴候を調べます。X線または超音波検査中に肝臓に挿入した細針を用いてサンプルを採取する場合があります。これは針生検または細針吸引とも呼ばれます。生検が腹腔鏡検査中に行われることもあります。

諸条件により予後(治癒の可能性)や治療法の選択が変わります。

予後(治癒の可能性)や治療法の選択は以下によって異なります。
  • がんの病期(腫瘍の大きさ、肝臓全体を含めた肝臓のどの部分まで影響しているのか、または体内の他の部位まで拡がっているのか)。
  • 肝臓がどの程度良好に機能しているのか。
  • 肝硬変があるかどうかを含めた患者さんの全身状態。
予後はまたα-フェトプロテイン(AFP)値によっても影響されます。

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病期

このセクションの要点
  • 成人原発性肝がんと診断されたあと、がん細胞が肝臓内にとどまっているか、それとも体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で諸検査を行います。
  • がんが体内に拡がる方法は3通りあります。
  • 成人原発性肝がんの病期は以下の通りです:
    • I期
    • II期
    • III期
    • IV期
  • 成人原発性肝がんでは、病期はがんがどのように治療されるかによっても分類されます。3種類の治療群があります:
    • 限局性切除可能
    • 限局性切除不能
    • 進行性

成人原発性肝がんと診断されたあと、がん細胞が肝臓内にとどまっているか、それとも体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で諸検査を行います。

がんが肝臓内にとどまっているか、それとも体の他の部分まで拡がっているかを調べるために行われる検査を「病期診断」といいます。病期診断のために行われた検査から得られた情報を基に疾患の病期が確定されます。最善の治療計画を立てるために病期を把握することは重要です。病期診断に用いられる検査には次のようなものがあります:
CTスキャン(CATスキャン):
胸部、腹部および骨盤など体内のいろいろな角度から詳細な像を連続的に撮影する手法です。像はX線撮影装置と連動したコンピュータによりつくられます。この方法はまたコンピュータ断層撮影法、またはコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれています。
MRI(核磁気共鳴画像法):
磁石、電波、コンピュータを用いて、体内領域の一連の詳細な画像を撮影する方法です。この検査は核磁気共鳴画像法(NMRI)とも呼ばれています。
PETスキャン(陽電子放射断層撮影):
体内にある悪性腫瘍細胞を発見する手法です。少量の放射性核種グルコース(糖)を静脈内に注入します。PETスキャナーが体の周囲を回転してグルコースが体内で利用されている部分の像を撮影します。悪性腫瘍細胞は正常細胞よりも活発で、グルコースをより多く吸収することから像はより明るく示されます。
腹腔鏡検査:
疾患の徴候を検査するために腹腔内の臓器を見る手術的手法です。小さい切開部から腹壁に腹腔鏡(細く、ライトの付いたチューブ)を挿入します。他の器具を使って同じまたは他の切開部から生検のために組織サンプルやリンパ節を摘出する場合もあります。

がんが体内に拡がる方法は3通りあります。

がんが体内に拡がる方法は以下のように3通りあります:
  • 組織を透過して、がんが周囲の正常組織に侵入します。
  • リンパ系を透過して、がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を経て体内の他の部分に移動します。
  • 血液を透過して、がんが静脈と毛細血管に侵入し、血液を経て体内の他の部分に移動します。
がん細胞が原発部位(初めの腫瘍)から離脱してリンパや血液を経て体内の他の部分に移動すると、別の腫瘍(二次性腫瘍)を形成するかもしれません。この過程を転移と呼んでいます。二次性腫瘍(転移性腫瘍)は原発部位の腫瘍と同じタイプのがんです。例えば、もし乳がんが骨に転移するのなら、骨のがん細胞は実際に乳がんのがん細胞です。その病気は骨のがんではなく、転移性乳がんです。

成人原発性肝がんの病期は以下の通りです:

I期
I期では、1つの腫瘍で血管付近に拡がっていない。
II期
II期では、がんは下記のいずれかになります:
  • 1つの腫瘍で血管付近に拡がっている;または
  • 複数の腫瘍で腫瘍径が5cm以下である。
III期
III期は、IIIA、IIIB期とIIIC期に分けられます。
IIIA期:
IIIA期では、がんは下記のいずれかになります:
  • 腫瘍径5cm以上の複数の腫瘍;または
  • 1つの腫瘍が肝臓付近の血管の主要分枝に拡がっている。
IIIB期:
IIIB期では、1つまたは複数のあらゆる大きさの腫瘍で下記のいずれかになります:
  • 胆嚢以外の器官付近まで拡がっている。
  • 腹膜腔の裏層を越えて拡がっている。
IIIC期:
IIIC期ではがんはリンパ節付近まで拡がっている。
IV期
IV期では、がんは肝を超えて骨や肺のような体の他の領域まで拡がっています。あらゆる大きさのがんが、血管およびリンパ節付近まで拡がっている可能性があります。

成人原発性肝がんでは、病期はがんがどのように治療されるかによっても分類されます。3種類の治療群があります:

限局性切除可能
がんは肝臓のみに限局し拡がっておらず、手術により完全に切除できます。
限局性局所進行性切除不能
がんは肝臓のみに限局し拡がっていませんが、手術により完全に切除することは不可能です。
進行性
がんは肝臓全体または肺、骨など体の他の部位まで拡がっています。

再発性成人原発性肝がん

再発性成人原発性肝がんは治療後に再び生じた(再燃)がんのことをいいます。再発性成人原発性肝がんは肝臓または体の他の部位に再発することがあります。

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治療法の概要

このセクションの要点
  • 成人原発性肝がん患者さんに対して各種治療法があります。
  • 標準的治療法として以下の5種類が用いられます:
    • 手術
    • 放射線療法
    • 化学療法
    • 経皮的エタノール注入療法
    • 標的療法
  • 新しい治療法は現在、臨床試験で有効性を検討中です。
    • 温熱療法
    • 生物学的療法
  • 臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。
  • がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。
  • フォローアップ検査が必要になるかもしれません。

成人原発性肝がん患者さんに対して各種治療法があります。

成人原発性肝がん患者さんに対しては各種治療法が適用されます。標準的治療法(現在用いられている治療法)もあれば、臨床試験において検証されているものもあります。治療法についての臨床試験は、現在行われている治療法の改善やがん患者さんの新しい治療法に対する情報を得るために行われるものです。現時点で標準的とされている治療法よりも新しい治療法の方が良いと示された場合、今度は新しい治療法が標準的治療法になる可能性があります。 臨床試験に参加してみてはどうかと考えてみるのもよいでしょう。いくつかの臨床試験は治療を始めていない患者さんにのみ開かれています。

標準的治療法として以下の5種類が用いられます:

手術
肝がんの治療には下記の手術法が用いられます:
冷凍手術:
上皮内がんなどの異常組織を冷凍し破壊するための装置を用いる治療法です。この治療法は冷凍療法とも呼ばれます。医師は超音波ガイド下で装置を用いることもあります。
部分肝切除術:
がんが認められる肝臓の一部を摘出します。摘出部位は組織の一部、肝葉全体またはがん周囲の正常組織の一部を含めた肝の比較的大きな部分になると思われます。残存した肝組織は肝機能を温存しています。
全肝切除術および肝臓移植:
肝臓全体を摘出し、提供された健常な肝臓と置き換える方法です。疾患が肝臓のみで、ドナー肝がある場合、肝移植が行われます。ドナー肝が見つかるまで待つ必要がある場合、患者さんには必要に応じて他の治療が行われます。
ラジオ波焼灼療法:
小さな電極を備えた特殊なプローブを用いてがん細胞を殺す方法です。プローブは皮膚から直接挿入することもありますが、この場合は局所麻酔のみが必要となります。他の場合、プローブは腹部の切開部位から挿入されますが、入院して全身麻酔下で行われます。
放射線療法
放射線療法は高エネルギーX線やその他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺すがん治療のことです。放射線療法には様々な方法があります。
  • 体外照射は体外の機械を用いてがんに放射線を照射する治療法です。
  • 体内照射は放射性物質を密封した針、シーズ、ワイヤ、カテーテルをがんの内部またはその近くに直接留置して、がんに放射線を照射する治療法です。
  • 手がん細胞の放射線感受性を高めるために放射線療法時に放射線増感剤と呼ばれる薬剤を投与することもあります。
放射能標識抗体を用いて放射能を腫瘍まで運ぶこともあります。実験室において放射性物質を抗体に結合させます。腫瘍細胞を標的としたこれらの抗体を体内に注入すると、腫瘍細胞は放射性物質により死滅します。

放射線療法の方法はがんの種類や病期によって異なります。
化学療法
化学療法は、薬剤を用いてがん細胞を殺すかまたは細胞分裂を停止させることでがん細胞の増殖を停止させるがん治療のことです。血液、毛髪などいくつかの正常組織に影響することから、副作用が生じる場合があります。口から服用したり、筋肉や静脈内に注入する化学療法では、薬剤は血流を通って全身のがん細胞に影響することができます(全身療法)。脳脊髄液、器官、腹腔などの臓器に薬剤を直接注入する化学療法では、薬剤は主にこれらの領域中にあるがん細胞に影響します(局所化学療法)。

肝がんの治療には通常局所化学療法が用いられます。抗がん剤を含む小さなポンプを体内に留置し、このポンプから腫瘍に続く血管内に直接薬剤を注入します。

他の種類の局所化学療法に肝動脈化学塞栓療法があります。抗がん剤をカテーテルから肝動脈に注入します。薬剤は物質が混合されており、動脈を遮断し、がんに血流が流れないようにしてあります。ほとんどの抗がん剤はがんの近隣で捕らえられ、体の他の領域まで達する薬剤は少量のみです。閉塞状態は動脈を遮断するために用いた薬剤によって、一時的または永久的になる場合があります。がんの成長に必要な酸素や栄養素が行かないよう阻止します。胃、腸から血液を運ぶ肝門脈を通して肝臓には若干の血液が供給され続けます。

化学療法はがんの種類や病期によって異なります。
経皮的エタノール注入療法
超音波ガイド下で細針を用いてエタノール(アルコール)を腫瘍内に直接注入しがん細胞を殺す方法です。この処置は一週間に1~2回行われます。通常、局所麻酔が用いられますが、肝臓内に多発性がんが認められる患者さんの場合では、全身麻酔が必要なこともあります。
標的療法
標的療法は、正常な細胞を傷つけずに特定のがん細胞を識別したり攻撃したりする薬剤や他の物質を用いる治療法の一種です。成人原発性肝がんでは、腫瘍が増殖するのに必要な新生血管の成長を抑制する標的治療薬が使われることがあります。

詳しい情報については肝がんに対する承認薬を参照してください。

新しい治療法は現在、臨床試験で有効性を検討中です。

このまとめのセクションでは、現在臨床試験を行っている治療法について述べますが、最新の臨床試験をすべて網羅できていない可能性があります。実施されている臨床試験についての情報はインターネットでNCI Web siteにアクセスすれば、入手できます。
温熱療法
温熱療法は、体内組織を高温下におき、がん細胞にダメージを与えて殺し、また放射線や抗がん剤の反応がより効果的になるようにします。がん細胞は正常細胞に比べて熱に対して弱いことが多いので、がん細胞は死滅し、腫瘍は縮小します。
生物学的療法
生物学的療法は、患者さん自身のがんと闘う免疫機構を活発にする治療法です。自らの体内でつくられる物質や実験室で作成された物質を用い、患者さん自身の病気に対するもともとの抵抗力を高め、方向づけしたり、回復させたりします。このがん治療法はまたバイオセラピー、免疫療法とも呼ばれます。
臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。
何人かの患者さんにおいて臨床試験に参加することは最良の治療選択であるかもしれません。臨床試験はがんの研究過程の一つです。臨床試験は新たな治療法が標準的な治療法より安全で有効であるかを見つけ出すために行います。

がんに対する今日の標準的な治療法の多くは早期の臨床試験を基本にしています。臨床試験に参加する患者さんは標準的な治療を受けるか、初めて新しい治療を受けることになるかもしれません。

また、臨床試験に参加する患者さんは未来のがん治療法の改良を助けます。新しい治療法の臨床試験が有効性を示さなくても、しばしば重要な疑問の答えとなり、研究が前進するのを助けます。
がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。
いくつかの臨床試験はまだ治療を受けていない患者さんを含んでいます。他の試験はがんが回復していない患者さんに対する治療を評価します。がんが再発する(再起する)のを止めるか、がん治療の副作用を軽減する新しい方法を評価する臨床試験もあります。

臨床試験は国の多くの地域で行われています。治療法の項での現在の治療法の臨床試験へのリンクを参照してください。NCIの臨床試験データベースから取り出してきます。
フォローアップ検査が必要になるかもしれません。
がんを診断するために行われた、あるいはがんの病期をみつけるために行われた検査が繰り返されるかもしれません。いくつかの検査は治療がどれぐらいよく効いているかをみるために行われるでしょう。治療を続ける、変更するか止めるかどうかの判断がこれらの検査結果を基に行われるかもしれません。これらはときどき再病期診断と呼ばれます。
いくつかの検査は治療が終わった後に時々継続して行われるでしょう。これらの検査結果は状態が変化したかどうか、またはがんが再発(再起)したかを示すことができます。これらの検査は時々、フォローアップ検査か定期検査と呼ばれます。

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病期別治療法

現在行われている臨床試験の検索結果へのリンクは各治療の項目に記載されています。いくつかのがんの種類や病期については、試験がリストされていないことがあります。リストされていなくても、実施されていると思われる臨床試験については主治医に相談してください。

限局性切除可能成人原発性肝がん

限局性切除可能成人原発性肝がんに対する治療法には下記のようなものがあります:
  • 手術(部分肝切除)。
  • 手術(全肝切除)および肝移植。
  • 手術後に局所、全身的治療法または生物学的療法を施行する臨床試験。
現在、米国で限局性切除可能成人原発性肝がんの患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

限局性切除不能成人原発性肝がん

限局性切除不能成人原発性肝がんに対する治療法には下記のようなものがあります:
  • 手術(冷凍手術またはラジオ波焼灼療法)。
  • 化学療法(化学塞栓療法、局所化学療法または全身化学療法)。
  • 経皮的エタノール注入療法。
  • 手術(全肝切除)および肝移植。
  • 放射線増感剤を用いた放射線療法。
  • 全身化学療法および/または標的療法。
  • 化学塞栓療法のあとに行う、または化学療法を併用する標的療法の臨床試験。
  • 手術、化学療法および放射線療法の併用療法の臨床試験。温熱療法を用いる場合もあります。また手術前に腫瘍を縮小するために化学療法と放射線療法を用いる場合もあります。
現在、米国で限局性切除不能成人原発性肝がんの患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

進行性成人原発性肝がん

進行性成人原発性肝がんに対する標準的治療法はありません。患者さんは臨床試験への参加も考えられます。以下のようなものがあります。
  • 生物学的療法、化学療法および/または放射線療法または放射線増感剤を用いた放射線療法。これらの治療法は、症状を和らげQOLの改善を助けるために、緩和医療として行われることがあります。
  • 標的療法
現在、米国で進行性成人原発性肝がんの患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。

再発性成人原発性肝がん

再発性成人原発性肝がんに対する治療法には下記のようなものがあります:
  • 手術(部分肝切除)。
  • 手術(全肝切除)および肝移植。
  • 化学療法(化学塞栓療法または全身療法)。
  • 経皮的エタノール注入療法。
  • 新たな治療法に対する臨床試験。
現在、米国で再発性成人原発性肝がんの患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。 試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報はNCI Web siteから入手可能です。
(2011年10月更新)

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