このセクションの要点
- 胃がんとは胃の内部に悪性(がん)細胞が認められる病気です。
- 年齢、食事、胃の病気により胃がんの発生リスクに影響が出ます。
- 胃がんを疑う症状としては、消化不良、胃部不快感、疼痛などがあります。
- 胃がんを発見し、診断するために、胃と食道を調べるための検査が用いられます。
- 諸条件により治療法の選択や予後(治癒の可能性)が変わります。
胃がんとは胃の内部に悪性(がん)細胞が認められる病気です。
胃は上腹部に存在するアルファベットのJの形をした臓器で、飲食した食物中の栄養素(ビタミン、ミネラル、炭水化物、脂肪、蛋白質、水分)を処理し、老廃物を体外に排泄するのに役立つ消化器系の一部です。食物は食道と呼ばれる空洞状の筋肉の管を通って口(咽喉)から胃まで運ばれます。胃を通過した後に、部分的に消化された食物は小腸を通って次に大腸まで進みます。
胃壁は粘膜層(最内層)、筋肉層(中間層)および漿膜層(最外層)の3つの組織層から構成されています。胃がんは粘膜層の内側にある細胞から生じますが、成長とともに外層まで拡がります。
胃の間質性腫瘍は支持組織である結合組織から生じ、胃がんに対する治療法とは異なります。詳しい情報についてはPDQの消化管間質腫瘍*の治療についての項目を参照してください。
(注)*の項目はがんinfoの項目には含まれていません。
胃がんの更なる情報については以下のPDQの項目を参照してください。
- 小児にまれながん
- 胃(消化管)がんの予防
- 胃(消化管)がんのスクリーニング
年齢、食事、胃の病気により胃がんの発生リスクに影響が出ます。
病気を発症する危険を高めるものをリスク因子と呼びます。リスク因子を持っていることはあなたががんにかかるということを意味するのではありませんし、リスク因子を持っていないことはあなたががんにかからないということを意味するものでもありません。それらがリスクであるかもしれないと考える人々は彼らの医師と議論をするべきです。胃がんのリスク因子には下記のようなものがあります:
- ヘリコバクターピロリという細菌に胃が感染している。
- 慢性胃炎(胃の炎症)がある。
- 悪性貧血。
- 腸上皮化生がある。(正常な胃の内壁が腸の内壁の細胞におきかわる状態)
- 家族性大腸腺腫症(FAP)または胃ポリープがある。
- 塩分が多い食物、燻製食品を多く食べ、果物や野菜をあまり食べない。
- 保存状態の悪い食物を多く食べる。
- 高齢者または男性である。
- 喫煙する。
- 母親、父親、姉妹または兄弟に胃がんの人がいる。
胃がんを疑う症状としては、消化不良、胃部不快感、疼痛などがあります。
これらの症状は胃がんによってみられることがあります。他の状況によっても同じ症状がみられることがあります。
胃がんの早期には、以下の症状がみられることがあります:
- 消化不良や胃の不快感。
- 食後の膨満感。
- 軽度の悪心。
- 食欲低下。
- 胸焼け。
胃がんの病期がさらに進行すると、以下の症状がみられることがあります:
- 血便。
- 嘔吐。
- 原因不明の体重減少。
- 胃痛。
- 黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)。
- 腹水(腹腔内に液体が貯まる)。
- 嚥下困難。
これらの症状がひとつでもみられた際には医師の診察を勧めます:
胃がんを発見し、診断するために、胃と食道を調べるための検査が用いられます。
以下の試験や手法が用いられます:
理学的所見および既往歴:
全身を調べて、一般的健康状態をチェックするとともに腫瘤または増殖など疾患徴候をチェックします。また患者さんの生活習慣や過去の疾患、治療の病歴についても調べます。
血液化学的検査:
身体中の器官、組織によって放出されるある物質の量を測定するために、血液サンプルを調べる手法です。ある物質の量が異常(正常より多いまたは少ない)である場合、それをつくる器官、組織における疾患の徴候である可能性があります。
全血球数算定検査:
血液サンプルを採取し、下記の項目を調べる手法です:
- 赤血球、白血球および血小板数。
- 赤血球中のヘモグロビン(酸素を運ぶ蛋白質)量。
- サンプルにおける赤血球の構成比率。
上部内視鏡検査:
異常部位を調べるために食道、胃、十二指腸(小腸の最初の部分)の内部を観察する手法です。内視鏡(細く、ライトの付いた管)を口から喉を通して食道まで挿入します。
便潜血検査:
大便(固形排泄物)中に顕微鏡でのみ観察できるような血液があるかどうかを調べる検査です。検便用の小サンプルは特定のカードに入れて、検査のために医師または臨床検査室に戻されます。
バリウム嚥下:
食道と胃の連続したX線像です。バリウム(銀白色の金属化合物)を含む溶液を飲みます。液体は食道と胃を覆い、X線が撮影されます。この手法は上部消化管撮影とも呼ばれます。
生検:
細胞または組織を採取して顕微鏡下で観察し、がんの徴候を調べます。通常胃の生検は内視鏡検査中に行われます。
CTスキャン(CATスキャン):
いろいろな角度から体内の詳細な像を連続的に撮影します。像はX線撮影装置と連動したコンピュータにより作られます。造影剤を静脈内に注入または飲みこむと、臓器や組織がよりはっきり示されます。この方法はまたコンピュータ断層撮影法、またはコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれています。
諸条件により治療法の選択や予後(治癒の可能性)が変わります。
治療法の選択と予後(治癒の可能性)はがんの病期・程度(胃のみかリンパ節まで拡がっているか、または体の他の部分まで拡がっているか)と患者さんの全身状態によって異なります。
胃がんは非常に早期に発見された場合、治癒の可能性が高いです。しかし診断時に既に胃がんの病期が進行している場合があります。後期の病期では、胃がんに対して治療は行えますが、治癒する可能性は稀です。治療を改善するために行われている臨床試験の1つに参加することも考慮されます。
このセクションの要点
- 胃がんと診断された後、がん細胞が胃内にとどまっているか、それとも体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で諸検査を行います。
- がんが体内に拡がる方法は3通りあります。
- 胃がんの病期は以下の通りです:
- 0期(上皮内がん)
- I期
- II期
- III期
- IV期
胃がんと診断された後、がん細胞が胃内にとどまっているか、それとも体の他の部分まで拡がっているかを調べる目的で諸検査を行います。
がんが胃内にとどまっているか、それとも体の他の部分まで拡がっているかを調べるために行われる検査を病期診断といいます。病期診断のために行われた検査から得られた情報を基に疾患の病期が決定されます。最善の治療計画を立てるために病期を把握することは重要です。
病期診断に用いられる検査には次のようなものがあります:
βHCG(ベータヒト絨毛性ゴナドトロピン)、CA-125およびCEA(がん胎児性抗原)の測定:
血液中のβHCG、CA-125およびCEA濃度を測定する検査です。これらの物質はがん細胞と正常細胞の両方から血流中に放出されます。正常量よりも多く認められる場合、胃がんまたは他の状況の徴候である可能性があります。
胸部X線検査:
胸部に簡単なX線照射を行い、胸部とその内部構造のX線像です。X線とは体内を通過してフィルム上まで達し、体内を撮影することができるエネルギービームの一種です。
超音波内視鏡検査(EUS):
内視鏡(細く、ライトの付いた管)を体内に挿入する検査で、通常口や直腸に通します。内視鏡は細くライトの付いたチューブのような器具で監察できるレンズも付いています。内視鏡の端にあるプローブは体内の組織や臓器に高エネルギー超音波を反射させて、エコーをつくるために用いられます。エコーはソノグラムと呼ばれる体内組織の像をつくります。この検査は内視鏡超音波検査とも呼ばれます。
CTスキャン(CATスキャン):
いろいろな角度から体内の詳細な像を連続的に撮影します。像はX線撮影装置と連動したコンピュータにより作られます。造影剤を静脈内に注入または飲みこむと、臓器や組織がよりはっきり示されます。この方法はまたコンピュータ断層撮影法、またはコンピュータ体軸断層撮影法(CAT)とも呼ばれています。
腹腔鏡検査:
異常部位を調べるために腹腔内の臓器を観察する外科的手法です。腹壁に切開部(切れ目)をつくり、腹腔鏡(細く、ライトの付いた管)を腹部に挿入します。同じ切開部または他の切開部を通して他の器具を挿入し、臓器の切除または顕微鏡下でがんの徴候を観察するため組織サンプルを採取することがあります。
PETスキャン(陽電子放射断層撮影):
体内にある悪性腫瘍細胞をみつけるための手法です。少量の放射性核種グルコース(糖)を静脈内に注入します。PETスキャナーが体の周囲を回転してグルコースが体内で利用されている部分の像を撮影します。悪性がん細胞は正常細胞よりも活発で、グルコースをより多く吸収することから、像はより明るく示されます。
がんが体内に拡がる方法は3通りあります。
がんが体内に拡がる方法は以下のように3通りあります:
- 組織を透過して、がんが周囲の正常組織に侵入します。
- リンパ系を透過して、がんがリンパ系に侵入し、リンパ管を経て体内の他の部分に移動します。
- 血液を透過して、がんが静脈と毛細血管に侵入し、血液を経て体内の他の部分に移動します。
がん細胞が原発部位(初めの腫瘍)から離脱してリンパや血液を経て体内の他の部分に移動すると、別の腫瘍(二次性腫瘍)を形成するかもしれません。この過程を転移と呼んでいます。二次性腫瘍(転移性腫瘍)は原発部位の腫瘍と同じタイプのがんです。例えば、もし乳がんが骨に転移するのなら、骨のがん細胞は実際に乳がんのがん細胞です。その病気は骨のがんではなく、転移性乳がんです。
胃がんの病期は以下の通りです:
0期(上皮内がん)
0期(上皮内がん)では、異常な細胞は胃壁の粘膜層(最内層)の内側にのみ認められます。これらの異常な細胞はがんになり、近くの正常な組織に拡がる可能性があります。0期は上皮内がんともいわれます。
I期
I期において、がんは胃壁の粘膜層(最内層)の内側に形成されます。I期はがんがどこまで拡がったかにより、IA期とIB期に分けられます。
IA期:
がんは胃壁の粘膜下層(粘膜の下の組織層)に拡がっているかもしれません。
IB期:
がんは;
- がんは胃壁の粘膜下層(粘膜の下の組織層)に拡がっているかもしれないし、腫瘍の近くにある1~2カ所のリンパ節に認められる;あるいは
- 胃壁の筋層にまで拡がっている
II期
II期の胃がんでは、がんがどこまで拡がったかにより、IIA期とIIB期に分けられます。
IIA期:
がんは;
- がんは胃壁の漿膜下層(漿膜の下の組織層)に拡がっています;あるいは
- がんは胃壁の筋層に拡がっており、腫瘍の近くにある1~2カ所のリンパ節に認められる;あるいは
- がんは胃壁の粘膜下層(粘膜の下の組織層)に拡がっているかもしれないし、腫瘍の近くにある3~6カ所のリンパ節に認められる。
IIB期:
がんは;
- 胃壁の漿膜(最外層)まで拡がっています;
- 胃壁の粘膜下層(粘膜の下の組織層)に拡がっているかもしれないし、腫瘍の近くにある1~2カ所のリンパ節に認められる;あるいは
- 胃壁の筋層に拡がっており、腫瘍の近くにある3~6カ所のリンパ節に認められる;あるいは
- 胃壁の粘膜下層(粘膜の下の組織層)に拡がっているかもしれないし、腫瘍の近くにある7カ所以上のリンパ節に認められる。
III期
III期の胃がんでは、がんがどこまで拡がっているかによってIIIA期、IIIB期とIIIC期に分けられます。
IIIA期:
がんは以下の部分まで拡がっています;
- 胃壁の漿膜(最外層)まで拡がっており、腫瘍の近くにある1あるいは2カ所のリンパ節に認められる;あるいは
- 胃壁の漿膜下層(漿膜の下の組織層)に拡がっているかもしれないし、腫瘍の近くにある3~6カ所のリンパ節に認められる;あるいは
- 胃壁の筋層に拡がっており、腫瘍の近くにある7カ所以上のリンパ節に認められる。
IIIB期:
がんは以下の部分まで拡がっています;
- 脾臓、横行結腸、肝臓、隔膜、膵臓、腎臓、副腎あるいは小腸のような隣接臓器に拡がっており、腫瘍の近くにある1~2カ所のリンパ節に認められるかもしれません;あるいは
- 胃壁の漿膜(最外層)まで拡がっており、腫瘍付近の3~6箇所のリンパ節に認められる;あるいは
- 胃壁の漿膜下層(漿膜の下の組織層)に拡がっており、腫瘍の近くにある7カ所以上のリンパ節に認められる。
IIIC期:
がんは以下の部分まで拡がっています;
- 胃壁の漿膜(最外層)まで拡がっており、腫瘍の近くにある1~2カ所のリンパ節に認められるかもしれません;あるいは
- 胃壁の漿膜(最外層)まで拡がっており、腫瘍の近くにある7カ所以上のリンパ節に認められる
IV期
IV期では、がんは身体の遠隔部位まで拡がっています:
再発性胃がん
再現性胃がんは治療後に再び生じた(再燃)がんのことをいいます。がんは胃または肝臓やリンパ節など体の他の部分に再発することがあります。
このセクションの要点
- 胃がん患者さんに対して様々なタイプの治療法があります。
- 標準的治療法として以下の4種類が用いられます:
- 手術
- 化学療法
- 放射線療法
- 化学放射線療法
- 標的療法
- 新しい治療法は現在、臨床試験で有効性を検討中です。
- 臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。
- がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。
- フォローアップ検査が必要になるかもしれません。
胃がん患者さんに対して様々なタイプの治療法があります。
胃がん患者さんに対しては様々なタイプの治療法が適用されます。標準的治療法(現在用いられている治療法)もあれば、臨床試験において検証されているものもあります。治療法についての臨床試験は、現在行われている治療法の改善やがん患者さんの新しい治療法に対する情報を得るために行われるものです。現時点で標準的とされている治療法よりも新しい治療法の方が良いと示された場合、今度は新しい治療法が標準的治療法になる可能性があります。臨床試験に参加してみてはどうかと考えてみるのもよいでしょう。いくつかの臨床試験は治療を始めていない患者さんにのみ開かれています。
標準的治療法として以下の5種類が用いられます:
手術
手術は全ての病期の胃がんに対して一般的治療法です。次のようなタイプの手術が用いられます:
- 胃亜全摘術:
- がんを含む胃の部分、隣接したリンパ節、腫瘍に隣接した他の組織や臓器を除去します。脾臓を摘出することもあります。脾臓は上腹部にある臓器で、血液をろ過し、老化した血液細胞を排除します。
- 胃全摘術:
- 胃全体、隣接したリンパ節、食道、小腸および腫瘍に隣接した他の組織の一部を摘出します。脾臓を摘出することもあります。以前と同様に食物を食べたり、飲み込んだりできるように、食道と小腸をつなぎます。
腫瘍が胃の開口を閉鎖しており、標準的手術によりがんを完全に摘出できない場合、以下のような処置が用いられることがあります:
- 管腔内ステント留置術:
- (動脈や食道などの)管腔の開口を維持するためにステント(細く、拡張可能な管)を挿入する手法です。胃内の通過を妨げる腫瘍に対しては、手術を行って患者さんが普通に食物を食べられるように食道から胃や胃から小腸までステントを留置することがあります。
- 管腔内レーザー手術:
- レーザーを備えた内視鏡(細く、ライトの付いた管)を体内に挿入する処置です。レーザーはナイフとして用いることもできる強力な光線です。
- 胃空腸吻合術:
- 小腸への開口部を遮断している胃のがんの部分を切除する手術です。胃は食物や医薬品を小腸に運ぶために空腸(小腸の一部)とつながっています。
化学療法
化学療法は、薬剤を用いてがん細胞を殺すかまたは細胞分裂を停止させることでがん細胞の増殖を停止させるがん治療のことです。口から服用したり、筋肉や静脈内に注入する化学療法では、薬剤は血流を通って全身のがん細胞に影響します(全身療法)。脳脊髄液、腹部、臓器などの体腔に薬剤を直接注入する化学療法では、薬剤は主にこれらの領域中にあるがん細胞に影響します。化学療法はがんの種類や病期によって異なります。
詳しい情報については
胃がんに対する承認薬を参照してください。
放射線療法
放射線療法は高エネルギーX線やその他の種類の放射線を用いてがん細胞を殺すかまたは成長させないでおくがん治療のことです。放射線療法には2つのタイプがあります。体外照射は体外の機械を用いてがんに放射線を照射する治療法です。体内照射は放射性物質を密封した針、シーズ、ワイヤ、カテーテルをがんの内部またはその近くに直接留置して、がんに放射線を照射する治療法です。成人非ホジキンリンパ腫に対しては外照射が用いられます。放射線療法の方法はがんの種類や病期によって異なります。
化学放射線療法
化学放射線療法は、化学療法と放射線療法を併用し、両方の効果を増強させるものです。がんが再発するリスクをすくなくするために手術後に行われる化学放射線療法はアジュバント療法と呼ばれます。腫瘍を縮小するために手術前に行われる化学放射線療法(ネオアジュバント療法)は研究中です。
標的療法
標的療法は、正常な細胞を傷つけずに特定のがん細胞を識別したり攻撃したりする薬剤や他の物質を用いる治療法の一種です。モノクローナル抗体療法は胃がん治療に用いられている標的療法の一種です。
モノクローナル抗体療法は、一種類の免疫系細胞から実験室で作成された抗体を用います。これらの抗体はがん細胞上にある物質やがん細胞の増殖を促進する可能性のある体内の正常物質を同定することができます。抗体はこれらの物質に付着してがん細胞を殺したり増殖を阻害し、がんの拡大を防ぎます。モノクローナル抗体は注入により投与されます。これらは単独で用いられる他、がん細胞まで薬剤、毒素、または放射性物質を直接送達するために用いられることもあります。
詳しい情報については
胃がんに対する承認薬を参照してください。
新しい治療法は現在、臨床試験で有効性を検討中です。
臨床試験に参加したいと考える患者さんがいるかもしれません。
何人かの患者さんにおいて臨床試験に参加することは最良の治療選択であるかもしれません。臨床試験はがんの研究過程の一つです。臨床試験は新たな治療法が標準的な治療法より安全で有効であるかを見つけ出すために行います。
がんに対する今日の標準的な治療法の多くは早期の臨床試験を基本にしています。臨床試験に参加する患者さんは標準的な治療を受けるか、初めて新しい治療を受けることになるかもしれません。
また、臨床試験に参加する患者さんは未来のがん治療法の改良を助けます。新しい治療法の臨床試験が有効性を示さなくても、しばしば重要な疑問の答えとなり、研究が前進するのを助けます。
がんの治療を始める前、または始めるか、治療を始めた後に患者さんは臨床試験に参加することができます。
いくつかの臨床試験はまだ治療を受けていない患者さんを含んでいます。他の試験はがんが回復していない患者さんに対する治療を評価します。がんが再発する(再起する)のを止めるか、がん治療の副作用を軽減する新しい方法を評価する臨床試験もあります。
臨床試験は国の多くの地域で行われています。治療法の項での現在の治療法の臨床試験へのリンクを参照してください。NCIの臨床試験リストから取り出してきます。
フォローアップ検査が必要になるかもしれません。
がんを診断するために行われた、あるいはがんの病期をみつけるために行われた検査が繰り返されるかもしれません。いくつかの検査は治療がどれぐらいよく効いているかをみるために行われるでしょう。治療を続ける、変更するか止めるかどうかの判断がこれらの検査結果を基に行われるかもしれません。これらはときどき再病期診断と呼ばれます。
いくつかの検査は治療が終わった後に時々継続して行われるでしょう。これらの検査結果は状態が変化したかどうか、またはがんが再発(再起)したかを示すことができます。これらの検査は時々、フォローアップ検査か定期検査と呼ばれます。
現在行われている臨床試験のリストへのリンクはそれぞれの治療の項目に含まれています。いくつかのがんのタイプや病期に対しては、試験がないかもしれません。リストに載っていない臨床試験をあなたの主治医とチェックすることは、あなたにとって正しいかもしれません。
0期胃がん(上皮内がん)
0期胃がんの治療には通常手術(胃全摘術または胃亜全摘術)が行われます。
現在、
0期胃がん患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。
試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報は
NCI Web siteから入手可能です。
I期胃がん
I期胃がんの治療法には以下のようなものがあります:
- 手術(胃全摘術または胃亜全摘術)。
- 手術(胃全摘術または胃亜全摘術)後の化学放射線療法。
- 手術前化学放射線療法の臨床試験。
現在、
Ⅰ期胃がん患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。
試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報は
NCI Web siteから入手可能です。
Ⅱ期胃がん
Ⅱ期胃がんの治療法には以下のようなものがあります:
- 手術(胃全摘術または胃亜全摘術)。
- 手術(胃全摘術または胃亜全摘術)後の化学放射線療法。
- 手術前後の化学療法。
- 手術後の新規抗がん剤を使った化学放射線療法の臨床試験。
- 手術前化学放射線療法の臨床試験。
現在、
Ⅱ期胃がん患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。
試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報は
NCI Web siteから入手可能です。
III期胃がん
III期胃がんの治療法には以下のようなものがあります:
- 手術(胃全摘術)。
- 手術後の化学放射線療法。
- 手術前後の化学療法。
- 手術後の新規抗がん剤を使った化学放射線療法の臨床試験。
- 手術前化学放射線療法の臨床試験。
現在、
Ⅲ期胃がん患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。
試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報は
NCI Web siteから入手可能です。
IV期および再発性胃がん
IV期あるいは再発性胃がんの治療法には以下のようなものがあります:
- 症状を緩和しQOLを改善するための緩和療法としての化学療法。
- 化学療法を併用したモノクローナル抗体を用いた標的療法。
- 胃の閉塞を緩和する内視鏡的レーザー手術または管腔内ステント留置術あるいは障害物を迂回するための胃空腸吻合術。
- 止血、鎮痛または胃の開口を閉鎖している腫瘍を縮小するための緩和療法としての放射線療法。
- 止血または胃の開口を閉鎖している腫瘍を縮小するための緩和療法としての手術。
- 症状を和らげ、QOLを改善する緩和療法としての新規併用化学療法の臨床試験。
現在、
Ⅳ期胃がん患者さんを受け入れている臨床試験があるかどうかをNCIのがん臨床試験リストから確認してください。
試験の場所、治療の種類、薬剤名など研究の他の特徴から研究を詳細に知ることが出来ます。臨床試験に関する一般的情報は
NCI Web siteから入手可能です。